加藤家住宅(旧布惣)三之蔵とは
加藤家住宅(旧布惣)三之蔵は、滋賀県彦根市高宮町の麻布商「布惣」の屋敷で敷地の奥の東南隅に建つ江戸末期(1830年から1868年)の土蔵で、平成25年(2013年)3月29日に登録有形文化財となった。土蔵造2階建、切妻造の瓦葺で、建築面積は41平方メートルと、登録された3棟の蔵のなかで最も大きい。
桁行8.1メートル、梁間5.1メートルの細長い平面で、入口は西面に開く。ほかの2棟の蔵が主屋に接するように建つのに対し、三之蔵は主屋から離れて、ひとり敷地の奥に構える。
布惣の商いを支えた大きな蔵
加藤家住宅(旧布惣)三之蔵は、登録番号25-0327、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。文化庁の解説は、規模が大きく建ちが高いことを挙げ、主屋・一之蔵・二之蔵とともに伝統的な町家の構えを伝えるとしている。
41平方メートルという面積は、一之蔵のおよそ1.8倍、二之蔵の2.7倍にあたる。布惣には7つの蔵があり、そこに集めた高宮布を年に12回出荷したと伝わる。ただし、どの蔵が何を納めたかを示す記録は、確認した資料には見当たらない。現存する蔵のうち、容量が最も大きいのが三之蔵である。
鉢巻を廻した軒
加藤家住宅(旧布惣)三之蔵の軒まわりは、桁の先端を外に見せず、漆喰で厚く塗り込めた鉢巻を廻す。屋根のすぐ下を帯のように一段ふくらませる仕上げで、木部を火から守る役目を果たす。
同じ屋敷の二之蔵は、桁の先の形を現した塗籠の軒である。小さな二之蔵が骨組みの表情を残すのに対し、三之蔵は軒を一続きの帯にまとめ、背の高い壁面の上端を簡潔に区切っている。
文化庁の解説がいう「建ちが高い」は、軒までの壁の立ち上がりが大きいことを指す。同じ2階建でも、三之蔵は細長い平面と高い壁によって、敷地の奥で最も量感のある建物になっている。
加藤家住宅(旧布惣)三之蔵の見学
加藤家住宅(旧布惣)三之蔵の内部を公開する案内は、彦根市と彦根観光協会のページでは確認できなかった。敷地の奥の東南隅にあり、中山道に面した主屋の背後に隠れるため、街道からはほとんど見えない。
屋根が高いので、周囲の見通しによっては屋根の一部がのぞく可能性はあるが、確かな見学地点は示せない。私有地には立ち入らず、公開の催しなどがあれば、その機会を待ちたい。
Q&A
- 加藤家住宅(旧布惣)三之蔵はどこに建っていますか?
- 敷地の奥の東南隅に、主屋から離れて建っています。入口は西面です。
- 加藤家住宅(旧布惣)三之蔵の大きさは?
- 土蔵造2階建で、桁行8.1メートル、梁間5.1メートル、建築面積41平方メートルです。登録された3棟の蔵のなかで最も大きな蔵です。
- 加藤家住宅(旧布惣)三之蔵の軒の特徴は?
- 桁の先端を見せず、漆喰を厚く塗り込めた鉢巻を軒下に廻しています。
- 加藤家住宅(旧布惣)三之蔵はいつ登録有形文化財になりましたか?
- 平成25年(2013年)3月29日に、登録番号25-0327として登録されました。
- 加藤家住宅(旧布惣)三之蔵は見学できますか?
- 内部公開の案内は確認できず、敷地の奥にあるため中山道からもほとんど見えません。
基本情報
| 名称 | 加藤家住宅(旧布惣)三之蔵 |
|---|---|
| 所在地 | 滋賀県彦根市高宮町1121-1他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物)、登録番号25-0327 |
| 指定年 | 平成25年(2013年)3月29日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 土蔵造2階建、瓦葺、桁行8.1メートル、梁間5.1メートル、建築面積41平方メートル |
| 所有者 | 文化庁データベースに記載なし |
| 公開状況 | 内部公開の案内なし(敷地の奥にあり、街道からはほぼ見えない) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 加藤家住宅(旧布惣)三之蔵(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009503
- 文化遺産オンライン 加藤家住宅(旧布惣)三之蔵(文化庁)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/269526
- 登録有形文化財 加藤家住宅(旧布惣)主屋(彦根観光ガイド、彦根観光協会)
- https://www.hikoneshi.com/sightseeing/article/katoke-jutaku-kyu-nunoso-shuoku
最終更新日: 2026.09.28