今半本店北奥座敷とは

今半本店北奥座敷(いまはんほんてんきたおくざしき)は、東京都台東区浅草一丁目のすき焼き店「今半本店」の奥に昭和31年(1956年)頃に建てられた木造平屋建の座敷棟で、令和5年(2023年)2月27日に登録有形文化財に登録された。建築面積は35平方メートルで、今半本店の奥座敷3棟のうちいちばん遅く、西奥座敷と東奥座敷から5年ほど後に建った。

登録番号は13-0474、登録の基準は「造形の規範となっているもの」である。平成17年(2005年)と平成26年(2014年)に改修を受けた。屋根は切妻造で、もとは瓦葺だったが、いまは鉄板葺になっている。

材より技で見せる座敷

今半本店北奥座敷は、南側の片廊下に沿って4畳半ほどの座敷を3室並べる。部屋の構成は西奥座敷と似ているが、見せどころが違う。文化庁は、東西の奥座敷が銘木や用材に凝る造りであるのに対し、今半本店北奥座敷は組子の建具や網代天井といった技法に凝る造りだと述べている。

組子は細い木の部材を釘を使わずに組み合わせて模様をつくる建具の技法で、障子や欄間の格子に使われる。網代天井は、薄く削いだ板や竹の皮などを編むように組んで張った天井で、数寄屋の座敷によく用いられる。どちらも材そのものより、職人の手の込み具合が仕上がりを決める。

西奥座敷と東奥座敷が部屋の名と材を結びつけたのに対し、今半本店北奥座敷は建具と天井の細工で3室を整えている。数年の差で建った同じ店の座敷棟に、こうした方向の違いが見られるのは興味深い。

写真に残る「萩」の間

文化庁のデータベースには、今半本店北奥座敷の写真として「萩」と題した座敷の床の間や書院まわりの写真が載っており、3室の一つに萩の名が付いているとみられる。ほかの2室の名は、文化庁の解説には記されていない。

外観の写真は店の奥の中庭から撮られている。座敷の内部が見られるのは食事の客に限られるため、3室の名を確かめたいときは店に尋ねるのが確実である。

今半本店北奥座敷の見学

今半本店北奥座敷は今半本店の奥座敷の個室として使われており、内部に入れるのは食事の予約客に限られる。予約の際に部屋は指定できないため、今半本店北奥座敷に通されるとは限らない。今半本店北奥座敷は街区の中ほどの中庭に面しており、通りからは見えないとみられる。座敷で写真を撮りたいときは、先に店の人に確かめたい。

今半本店北奥座敷に通されたら、障子や欄間の組子の模様と、網代に編んだ天井を見上げたい。営業時間や行き方は、今半本店のページにまとめてある。

Q&A

Q今半本店北奥座敷はいつ建てられましたか?
A昭和31年(1956年)頃の建築で、平成17年(2005年)と平成26年(2014年)に改修されました。令和5年(2023年)2月27日に登録有形文化財に登録されています。
Q今半本店北奥座敷の見どころは何ですか?
A組子の建具や網代天井など、技法に凝った造りです。東西の奥座敷が銘木や用材に凝るのと対照的です。
Q今半本店北奥座敷にはいくつ部屋がありますか?
A南側の片廊下に沿って、4畳半ほどの座敷が3室並んでいます。文化庁の写真には「萩」と題した座敷が写っています。
Q今半本店北奥座敷は今半本店のほかの奥座敷とどう違いますか?
A西奥座敷と東奥座敷は昭和26年(1951年)頃の建築で、部屋の名にちなむ材を使い分けています。北奥座敷はそれより5年ほど後の建築で、材よりも建具と天井の技法で見せる座敷です。
Q今半本店北奥座敷は見学できますか?
A今半本店の奥座敷の個室として使われているため、内部に入れるのは食事の予約客に限られます。予約の際に部屋の指定はできません。

基本情報

名称今半本店北奥座敷
所在地東京都台東区浅草1丁目2-5
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和5年(2023年)2月27日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、鉄板葺、建築面積35㎡
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況すき焼き店「今半本店」の奥座敷(個室)。内部は食事の予約客向け

参考文献

国指定文化財等データベース 今半本店北奥座敷(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014458
文化遺産オンライン 今半本店北奥座敷
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/576762
台東区 国指定・登録文化財、選定保存技術
https://www.city.taito.lg.jp/gakushu/shogaigakushu/shakaikyoiku/bunkazai/kunibunkazai.html
すき焼き 今半本店 トップページ(営業時間・予約)
https://imahan-honten.co.jp/
すき焼き 今半本店 歴史
https://imahan-honten.co.jp/history.html

最終更新日: 2026.10.02