国際基督教大学泰山荘蔵とは

国際基督教大学泰山荘蔵は、東京都三鷹市大沢の国際基督教大学構内にある、昭和11年(1936年)頃に建てられた鉄筋コンクリート造の蔵で、平成11年(1999年)に登録有形文化財に登録された。

読みは「くら」。泰山荘の書院の東に建つ南北棟で、平屋建、瓦葺の切妻造、妻入の建物である。建築面積は55平方メートル。北側の妻面に下屋を差し出し、そこを蔵前としている。

外観は土蔵に近いが、構造は鉄筋コンクリートである。土蔵造の姿を、昭和初期の新しい構法でつくり出している。

高床の庫室

文化庁の解説がこの蔵の特徴として挙げるのは、蔵前の部分を除いて、庫室の本体を高床にしている点である。床を地面から持ち上げれば床下に風が通り、地面からの湿気を避けやすい。雑木林に囲まれ、湧水の多い崖際に建つ泰山荘で、収蔵物を湿気から守るための工夫だったと考えられる。

蔵前は、蔵の出入口の前に屋根を掛けて設けた作業の場である。北の妻面から下屋を差し出して雨を避け、その奥の庫室は一段高く床を上げる。出入りの場と収納の場を、床の高さで分けた構成になっている。

何が収められていたかを示す記録は、今回参照した資料には見当たらなかった。書院と並べて母屋の付属屋として建てられていることから、別荘の暮らしを支える収納棟だったとみられる。

登録の理由と価値

国際基督教大学泰山荘蔵は、平成11年(1999年)10月14日に登録有形文化財(建造物)に登録された。登録番号は13-0060、登録基準は「造形の規範となっているもの」である。

伝統的な土蔵の形を鉄筋コンクリートで写したところに、この蔵の時代性がある。瓦葺の切妻屋根、妻入の出入口、下屋を掛けた蔵前という土蔵の定型を守りながら、壁と床は近代の材料で組み、そのうえで庫室を高床にしている。茅葺の門や移築された茶室が並ぶ泰山荘のなかで、昭和初期の建築技術を示す棟である。

見どころ

見るべきは北側である。妻面から下屋が張り出して蔵前をつくり、出入口はその奥にある。蔵前を除く庫室の部分は、床が高く持ち上げられている。

屋根は隣の書院と同じく瓦で葺かれている。2棟がともに母屋の付属屋として計画されたことが、この素材の一致からもうかがえる。

鉄筋コンクリート造であることは、外観からはほとんど分からない。土蔵に見える壁が実はコンクリートだと知ったうえで眺めると、耐久性と伝統的な見た目の両方を求めた昭和初期の施主の考えが見えてくる。

見学方法

国際基督教大学泰山荘蔵の内部は非公開である。外観は大学の特別公開日に見学でき、2026年の特別公開では午前11時から午後4時まで予約なしで自由に見られる。蔵前のある北側と、書院と並んで見える西側から眺めるとよい。

特別公開日の予約制ツアーでも蔵を巡るが、ツアー中の撮影は禁止されている。大学構内への行き方と特別公開の日程は、国際基督教大学泰山荘のページにまとめてある。

Q&A

Q国際基督教大学泰山荘蔵は土蔵ですか?
A外観は土蔵風だが、構造は鉄筋コンクリート造である。瓦葺の切妻屋根と妻入の出入口という土蔵の形を、近代の構法でつくっている。
Q国際基督教大学泰山荘蔵の中を見学できますか?
Aできない。内部は非公開で、外観のみ大学の特別公開日に見学できる。
Q国際基督教大学泰山荘蔵はいつ建てられましたか?
A昭和11年(1936年)頃、泰山荘の造営にあわせて建てられた。平成11年(1999年)10月14日に登録有形文化財に登録されている。
Q国際基督教大学泰山荘蔵の高床とはどういう造りですか?
A蔵前の部分を除いて、収納にあたる庫室の床を地面から高く持ち上げた造りで、文化庁の解説がこの蔵の特徴として挙げている。
Q国際基督教大学泰山荘蔵は泰山荘のどこにありますか?
A書院のすぐ東に、南北に長い向きで建っている。出入口と蔵前は北側にある。

基本情報

名称国際基督教大学泰山荘蔵(こくさいきりすときょうだいがくたいざんそうくら)
所在地東京都三鷹市大沢3-10-2(国際基督教大学構内)
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成11年(1999年)10月14日登録
員数1棟
寸法鉄筋コンクリート造平屋建、瓦葺、建築面積55平方メートル
所有者学校法人国際基督教大学
公開状況内部非公開。外観は特別公開日に見学可

参考文献

国際基督教大学泰山荘蔵(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001371
建築物の紹介(国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館)
https://subsites.icu.ac.jp/yuasa_museum/taizanso_web/build.html
2026年度 泰山荘の特別公開について(国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館)
https://subsites.icu.ac.jp/yuasa_museum/taizanso_web/2026koukai.html

最終更新日: 2026.09.24