遠藤家住宅主屋とは

遠藤家住宅主屋は、鳥取県西伯郡大山町坊領486にある江戸後期(1751〜1829年)の農家風の大型住宅で、平成15年(2003年)3月18日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「えんどうけじゅうたくしゅおく」。

木造平屋建で、建築面積は264平方メートル。屋根は寄棟造の茅葺で、登録時の記録では茅の上を鉄板で覆った仮葺きの状態にある。遠藤家住宅主屋は約3千坪とされる屋敷のほぼ中央に、東を正面にして建つ。

年代について、文化庁は平面や構造形式から江戸後期と推定し、大山町は建築手法から18世紀後半頃としている。棟札のような文字の記録は挙げられておらず、遠藤家住宅主屋の年代はどちらも建物の特徴からの推定である。

食い違い四間取と式台玄関

遠藤家住宅主屋の間取りは、文化庁の解説で「食い違い四間取」とされる。四間取は居室部を田の字形に4室に分ける農家の基本形で、食い違いとは前後の部屋境の位置がそろわず、ずれている形をいう。

この間取りのなかで目を引くのが、広間と客間のあいだに設けられた式台玄関である。式台は身分のある客を迎えるための板敷の上がり口で、ふつうの農家には備わらない。遠藤家は大山寺に抱えられた「大山侍」の家で、遠藤家住宅主屋の式台玄関はその立場にふさわしい格式を示すものとして、文化庁の解説でも特に取り上げられている。

大山町が遠藤家住宅主屋を「武家の様相」と表現するのも、こうした接客の構えによるところが大きい。

遠藤家住宅主屋の屋根と外まわり

遠藤家住宅主屋は平入で、棟と平行な長い側を正面にしている。寄棟の大屋根は四方に流れ、茅の厚みを鉄板で包んだ現在の姿でも、屋根の量感はそのまま残る。

登録の対象には、主屋から折れ曲がって延びる中門と塀、長さ9メートルが含まれている。前庭を区切るこの中門と塀も、遠藤家住宅主屋の構えを形づくる一部として評価されている。

遠藤家住宅主屋が登録された理由

遠藤家住宅主屋の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁は、その雄大な規模が地域の景観の核になっていると評価した。

評価の中身は大きさだけではない。平面と構造形式が江戸後期の特徴を備え、式台玄関に家の格式がはっきり表れている点が、遠藤家住宅主屋を坊領の集落のなかで特別な存在にしている。

遠藤家住宅主屋の見学

遠藤家住宅主屋は個人の住まいで、内部は公開されていない。敷地の中央に建つため、東の道から見えるのは表門越しの屋根の一部にとどまる。茅葺を覆う鉄板の大屋根は、表門の正面から奥を見通すと位置関係がつかみやすい。門の中へは入らないこと。

撮影についての公式な案内は見当たらなかった(2026年9月確認)。道から撮る場合も、住人や暮らしの様子を写し込まないよう配慮したい。

Q&A

Q遠藤家住宅主屋はいつ建てられましたか?
A文化庁は平面や構造形式から江戸後期(1751〜1829年)と推定しています。大山町は18世紀後半頃の建築としています。
Q遠藤家住宅主屋の間取りの特徴は何ですか?
A食い違い四間取と呼ばれる平面で、広間と客間のあいだに格式の高い式台玄関が設けられています。
Q遠藤家住宅主屋の屋根はどうなっていますか?
A寄棟造の茅葺です。登録時の記録では、茅の上を鉄板で覆った仮葺きになっています。
Q遠藤家住宅主屋はどのくらいの大きさですか?
A木造平屋建で、建築面積は264平方メートルあります。長さ9メートルの中門と塀も登録に含まれています。
Q遠藤家住宅主屋の中は見学できますか?
A見学できません。個人の住宅で一般公開されておらず、東の道から門越しに屋根の一部が見える程度です。

基本情報

名称遠藤家住宅主屋(えんどうけじゅうたくしゅおく)
所在地鳥取県西伯郡大山町坊領486
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成15年(2003年)登録
員数1棟
寸法建築面積264㎡(木造平屋建、中門及び塀折れ曲り9m付)
所有者非公表
公開状況非公開(東の道から屋根の一部のみ)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)遠藤家住宅主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003301
文化遺産オンライン 遠藤家住宅主屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/140571
大山町 遠藤家住宅(主屋他4棟)
https://www.daisen.jp/10/33/1/s148/u165/
大山町 町指定文化財 遠藤家住宅
https://www.daisen.jp/10/33/1/w930/u165/

最終更新日: 2026.09.30