遠藤家住宅家財蔵とは

遠藤家住宅家財蔵は、鳥取県西伯郡大山町坊領486にある江戸末期(1830〜1867年)の2階建の土蔵で、平成15年(2003年)3月18日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「えんどうけじゅうたくかざいぐら」。

遠藤家住宅家財蔵は主屋の西方、屋敷の奥に建つ。土蔵造の2階建で建築面積は47平方メートル、屋根は南北に棟を通した切妻造の桟瓦葺で、正面にあたる東側に庇を付けている。家財蔵は、家具や道具、衣類など家の財産を納めるための蔵をいう。

遠藤家住宅でただ一つ「造形の規範」とされた蔵

遠藤家住宅の5件のうち、遠藤家住宅家財蔵だけが「造形の規範となっているもの」という基準で登録された。ほかの4件は景観への貢献が理由であり、建物そのものの形やつくりの質で評価されたのは遠藤家住宅家財蔵だけである。

文化庁の解説が根拠に挙げるのは、つくりの丁寧さである。とくに正面の東面に手間をかけた仕上げが、遠藤家住宅家財蔵を地方の土蔵の手本と呼べるものにしている。

正面だけを白く仕上げた外壁

遠藤家住宅家財蔵の外壁は、面によって仕上げが違う。南・北・西の3面は下見板張で覆い、土壁を雨から守っている。これに対して正面の東面だけは漆喰で白く塗り、2階の窓の左右に海鼠壁をめぐらせている。

海鼠壁は平瓦を壁に張り付け、目地を漆喰でかまぼこ形に盛り上げる仕上げで、手間がかかる分だけ見栄えがよい。人目に触れる東の面を飾り、裏や側面は実用の板張りで済ませる。遠藤家住宅家財蔵のこうした使い分けに、この蔵の性格がよく表れている。

遠藤家住宅家財蔵の内部と米蔵

遠藤家住宅家財蔵の1階は中央で南北に仕切られ、北側は米蔵として使われていた。家財を納める蔵の一角に、米の保管場所を組み込んだ形である。2階の用途は文化庁の解説には記されていない。

遠藤家住宅家財蔵の見学

遠藤家住宅家財蔵は屋敷のいちばん奥、主屋の西に建つため、東の道からはほとんど見えない。個人の住宅で一般公開はされておらず、敷地に入って近づくこともできない。見どころの海鼠壁は主屋の側を向いた東面にあるので、道から確かめることは難しいと考えておきたい。

撮影の可否について公式の案内は見つからなかった(2026年9月確認)。

Q&A

Q遠藤家住宅家財蔵はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは江戸末期(1830〜1867年)とされています。
Q遠藤家住宅家財蔵はなぜ登録有形文化財になったのですか?
Aつくりの丁寧さが評価され、遠藤家住宅の5件でただ一つ「造形の規範となっているもの」として平成15年(2003年)に登録されました。
Q遠藤家住宅家財蔵の外壁の特徴は何ですか?
A南・北・西の3面は下見板張ですが、正面の東面だけは漆喰塗で、2階の窓の左右に海鼠壁をめぐらせています。
Q遠藤家住宅家財蔵の中はどうなっていますか?
A1階が中央で南北に仕切られ、北側は米蔵として使われていました。
Q遠藤家住宅家財蔵は見学できますか?
A見学できません。個人の住宅の敷地の奥にあり、道からもほとんど見えません。

基本情報

名称遠藤家住宅家財蔵(えんどうけじゅうたくかざいぐら)
所在地鳥取県西伯郡大山町坊領486
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成15年(2003年)登録
員数1棟
寸法建築面積47㎡(土蔵造2階建)
所有者非公表
公開状況非公開(道からはほぼ見えない)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)遠藤家住宅家財蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003304
文化遺産オンライン 遠藤家住宅家財蔵
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/116184
大山町 遠藤家住宅(主屋他4棟)
https://www.daisen.jp/10/33/1/s148/u165/
大山町 町指定文化財 遠藤家住宅
https://www.daisen.jp/10/33/1/w930/u165/

最終更新日: 2026.09.30