有礒正八幡宮釣殿とは
有礒正八幡宮釣殿は、富山県高岡市横田町の有礒正八幡宮で本殿と幣殿のあいだをつなぐ昭和10年(1935年)の建物で、平成18年(2006年)3月2日に国の登録有形文化財に登録された。
読みは「つりどの」。平安貴族の寝殿造で池に面して建てた建物と同じ字を書くが、神社建築では本殿と拝殿・幣殿のあいだに入る建物にもこの名が使われる。文化庁の解説も、有礒正八幡宮釣殿を「本殿と幣殿、拝殿をつなぐ空間」と位置づけている。
文化庁のデータベースによれば、有礒正八幡宮釣殿は木造平屋建、銅板葺で、建築面積は30平方メートル。桁行3間、梁間2間の規模で、棟は南北に通る。棟が東西に通る本殿とは向きが直角に交わり、本殿の正面から手前の幣殿へ、一本の通路のように延びている。
有礒正八幡宮釣殿が登録された理由
有礒正八幡宮釣殿は第49回の登録で、登録番号は16-0076。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。
文化庁は、本殿と幣殿・拝殿をつなぐ空間として境内の景観をかたちづくっている点を評価している。明治16年(1883年)の本殿と、昭和10年に建った拝殿及び幣殿とのあいだには52年の差がある。その二つを一続きの社殿にまとめているのが、拝殿及び幣殿と同じ年に建てられた有礒正八幡宮釣殿である。
有礒正八幡宮釣殿の見どころ
前後の建物と見比べると、有礒正八幡宮釣殿の簡素さがよくわかる。柱は角柱で、柱の上に組物を置かず、柱が直接桁を受けている。奥の本殿は拳鼻付きの三斗組と蟇股で軒下を飾り、手前の拝殿及び幣殿は八棟造の屋根を重ねる。そのあいだで釣殿だけが装飾を抑え、二つの建物の意匠がぶつからないようにしている。
柱と柱のあいだは蔀戸で、内側には御簾をかける。蔀戸は格子を組んだ板戸を外側へ跳ね上げて開ける建具で、開ければ御簾越しに外の光が入る。
床の高さは幣殿とそろえてあり、幣殿から釣殿へ同じ高さの床が続く。両側面には縁をめぐらせて高欄を付けている。
有礒正八幡宮釣殿の見学方法
有礒正八幡宮釣殿は本殿へ向かう神事の通り道で、内部は公開されていない。拝殿及び幣殿の背後にあるため、参道の正面からは見えない。蔀戸や側面の縁を見るには、社殿の側面に回れる範囲から眺めることになる。立ち入れる範囲は社務所の案内に従ってほしい。
撮影について神社は一般向けの決まりを公表していない。祭典や祈願の最中は撮影を控え、縁や高欄に触れないこと。境内への行き方と参拝の条件は有礒正八幡宮のページにまとめてある。
Q&A
- 有礒正八幡宮釣殿とはどんな建物ですか?
- 本殿と幣殿のあいだに入り、本殿と幣殿・拝殿を一続きにつなぐ建物です。桁行3間、梁間2間、建築面積30平方メートルの木造平屋建で、屋根は銅板葺です。
- 有礒正八幡宮釣殿はいつ建てられましたか?
- 昭和10年(1935年)に、拝殿及び幣殿と同じ年に建てられました。奥の本殿は明治16年(1883年)の建物です。
- 有礒正八幡宮釣殿はいつ登録有形文化財になりましたか?
- 平成18年(2006年)3月2日に、登録番号16-0076で登録されました。本殿と拝殿及び幣殿も同じ日に登録されています。
- 有礒正八幡宮釣殿の「釣殿」は釣りと関係がありますか?
- 寝殿造の池に面した建物と同じ字ですが、有礒正八幡宮釣殿は釣りのための建物ではありません。神社建築で本殿と拝殿・幣殿のあいだに入る建物を指す呼び名として使われています。
- 有礒正八幡宮釣殿は見学できますか?
- 内部は公開されていません。拝殿及び幣殿の背後にあるため、外観は社殿の側面に回れる範囲から見ることになります。
基本情報
| 名称 | 有礒正八幡宮釣殿 |
|---|---|
| 所在地 | 富山県高岡市横田町3-1-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成18年(2006年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 桁行3間、梁間2間、建築面積30平方メートル |
| 所有者 | 宗教法人有礒正八幡宮 |
| 公開状況 | 境内は参拝自由、釣殿の内部は非公開 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁):有礒正八幡宮釣殿
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005270
- 文化遺産オンライン:有礒正八幡宮釣殿
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/141038
- 日本遺産ポータルサイト(文化庁):有礒正八幡宮(本殿・釣殿・拝殿及び弊殿)
- https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/294/
最終更新日: 2026.10.04