長保寺大門とは:室町初期の整った楼門

長保寺大門は、和歌山県海南市下津町上の長保寺にある嘉慶2年(1388年)建立の楼門で、明治33年(1900年)に旧国宝に指定され、昭和28年(1953年)に国宝に指定された。

文化庁の記録によると、長保寺大門は三間一戸の楼門で、入母屋造、本瓦葺。海南市によると、寺に伝わる棟札の写しから、後小松天皇の勅宣を受けて寺僧の実然が建立したとされる。

指定の理由:形の整った代表的な楼門

文化庁は、長保寺大門を形態のよく整った代表的な楼門の一つで、和様を基調とした細部に室町時代初期の特色をもつと評価している。和歌山県は、伝統的な和様を基本としながら細部に禅宗様を取り入れ、建築彫刻に斬新な意匠を用い、軒先の組物に構造的に発展した技法が見られるなど、他に先駆けた門だとしている。

海南市によると、長保寺大門は小形ながら、この時代の代表的な楼門の一つとされている。

長保寺大門の見どころ:扁額と組物

門に掲げられた扁額にも来歴がある。海南市によると、現在の扁額は紀州徳川家の菩提寺となってから頼宣が李梅渓に命じて模写させたもので、当初のものは妙法院二品親王尭仁の直筆といわれ、裏に応永24年(1417年)6月1日の銘がある。原額は寺に保管されている。

軒先の組物と、蟇股などの彫刻も見どころである。和様の上下2層の構えの中に、細部で禅宗様を取り入れたところを確かめたい。

長保寺大門の見学について

長保寺は令和5年(2023年)6月の集中豪雨による土砂崩れの復旧工事のため、現在は拝観停止中である。寺の公式サイトは、あと2〜3年は拝観できない見込みだとしている。再開の状況と、再開後の拝観条件は長保寺のページにまとめてある。

Q&A

Q長保寺大門はいつ建てられましたか?
A嘉慶2年(1388年)に建立されました。昭和28年(1953年)に国宝に指定されています。
Q長保寺大門はどのような門ですか?
A三間一戸の楼門で、入母屋造、本瓦葺です。和様を基調に細部に禅宗様を取り入れています。
Q長保寺大門の扁額は誰が書きましたか?
A現在の扁額は徳川頼宣が李梅渓に模写させたものです。当初の扁額は妙法院二品親王尭仁の直筆といわれ、寺に保管されています。
Q長保寺大門は今見学できますか?
A2023年6月の土砂崩れの復旧工事のため、長保寺は拝観停止中です。
Q長保寺大門を建てたのは誰ですか?
A寺に伝わる棟札の写しによると、後小松天皇の勅宣を受けて寺僧の実然が建立したとされます。

基本情報

名称長保寺大門(ちょうほうじだいもん)
所在地和歌山県海南市下津町上689
指定区分国宝(建造物)
指定年昭和28年(1953年)3月31日国宝指定(明治33年(1900年)4月7日旧国宝指定)
員数1棟
寸法三間一戸楼門、入母屋造、本瓦葺
所有者長保寺
公開状況拝観停止中(2023年の土砂崩れの復旧工事)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「長保寺大門」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2836
わかやまの文化財「長保寺大門」
https://wakayama-bunkazai.jp/bunkazai/bunkazai_221/
海南市「長保寺」
https://www.city.kainan.lg.jp/kanko/midokoro/bunkazai/chohoji.html
長保寺 公式サイト
https://www.chohoji.or.jp/

最終更新日: 2026.09.27