長保寺本堂とは:和様と禅宗様を融和させた鎌倉後期の仏堂

長保寺本堂は、和歌山県海南市下津町上の長保寺にある延慶4年(1311年)建立の仏堂で、明治37年(1904年)に旧国宝に指定され、昭和28年(1953年)に国宝に指定された。

文化庁の記録によると、長保寺本堂は桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、本瓦葺で、正面に一間の向拝が付く。海南市は向拝を二間としており、記載が異なる。

指定の理由:折衷様の代表作

文化庁は、長保寺本堂を柱や組物などに唐様(禅宗様)の手法をとりながら細部に和様の手法を混用し、二つの様式をよく融和させた建物と評価している。和歌山県は、外回りを和様でまとめ、内陣に禅宗様を大きく取り入れた折衷様の中世仏堂の代表作としている。

和歌山県によると、長保寺本堂は県内の仏堂に多く見られる架構形式を用いて外陣を広く取っている。本堂は延慶4年(1311年)の建立で、長保寺の伽藍の中でも最も古い。

長保寺本堂の見どころ

外観は和様の落ち着いた構えだが、内部に入ると内陣の周りに禅宗様の構成が現れる。外と内で様式を使い分けたところが、長保寺本堂を見る要点になる。

境内では、本堂と多宝塔、大門の3棟の国宝を見比べたい。本堂の折衷様に対し、多宝塔は純和様で統一されている。

長保寺本堂の見学について

長保寺は令和5年(2023年)6月の集中豪雨による土砂崩れの復旧工事のため、現在は拝観停止中である。寺の公式サイトは、あと2〜3年は拝観できない見込みだとしている。再開の状況と、再開後の拝観条件は長保寺のページにまとめてある。

Q&A

Q長保寺本堂はいつ建てられましたか?
A延慶4年(1311年)に建立されました。昭和28年(1953年)に国宝に指定されています。
Q長保寺本堂の建築の特徴は?
A和様を基調としながら、内陣に禅宗様を大きく取り入れた折衷様の仏堂です。文化庁は二つの様式をよく融和させていると評価しています。
Q長保寺本堂の規模は?
A桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、本瓦葺です。向拝は文化庁の記録では一間、海南市は二間としています。
Q長保寺本堂は今見学できますか?
A2023年6月の土砂崩れの復旧工事のため、長保寺は拝観停止中です。
Q長保寺本堂のほかに国宝はありますか?
A同じ境内の多宝塔と大門も国宝に指定されています。

基本情報

名称長保寺本堂(ちょうほうじほんどう)
所在地和歌山県海南市下津町上689
指定区分国宝(建造物)
指定年昭和28年(1953年)3月31日国宝指定(明治37年(1904年)8月29日旧国宝指定)
員数1棟
寸法桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、向拝一間、本瓦葺
所有者長保寺
公開状況拝観停止中(2023年の土砂崩れの復旧工事)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「長保寺本堂」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2837
わかやまの文化財「長保寺本堂」
https://wakayama-bunkazai.jp/bunkazai/bunkazai_220/
海南市「長保寺」
https://www.city.kainan.lg.jp/kanko/midokoro/bunkazai/chohoji.html
長保寺 公式サイト
https://www.chohoji.or.jp/

最終更新日: 2026.09.27