中筋家住宅便益棟とは
中筋家住宅便益棟は、和歌山県和歌山市禰宜の和佐地区にある中筋家の屋敷のうち、長屋門の北に建つ水まわりの付属屋で、明治20年(1887年)に建てられ、平成10年(1998年)12月11日に国の登録有形文化財に登録された。内部は便所・風呂場・物置などからなる。
切妻造、平屋建、桟瓦葺で、建築面積は11平方メートル。屋敷で登録された5棟のうちもっとも小さい。県道に面した屋敷の東辺で、南から長屋門、その附属の貯蔵庫と続いた並びの北の端にあたる。
貯蔵庫との間には勝手口が設けられている。勝手口は、客を迎える表の門とは別に、家の者や出入りの人が日々の用で使う出入口である。表の長屋門と裏方の勝手口が、同じ県道の側に並んでいることになる。
登録の理由と価値
中筋家住宅便益棟の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、外観の意匠を長屋門と貯蔵庫に合わせ、屋根を貯蔵庫よりわずかに低くすることで、景観上効果的な役割を果たしていると評価する。
便所や風呂場のような水まわりの小屋は、屋敷の裏手に目立たないように置かれることが多い。中筋家住宅便益棟は通りに面した東辺にありながら、長屋門と同じ仕上げをまとい、屋根の高さを一段ずつ下げる並びの最後を受け持っている。用途は裏方でも、道から見える以上は表の構えの一部として扱った、という設計の考え方が読み取れる。
見どころ
中筋家住宅便益棟は、単独で見るよりも県道沿いの並びの終わりとして見るとよい。長屋門から北へ、貯蔵庫で屋根が一段下がり、勝手口の切れ目を挟んで便益棟の屋根がさらにわずかに下がる。11平方メートルの小さな建物が、この段差の最後の一段をつくっている。
屋根の差はわずかで、意識して見ないと気づきにくい。貯蔵庫の軒と便益棟の軒の高さを見比べると、並び全体に付けられた勾配のような変化が分かる。
見学方法
中筋家住宅便益棟は個人の住まいの一部で、内部も敷地も公開されていない(2026年9月26日確認)。県道に面した外観は、公道から見ることができる。
勝手口の前に立ち止まって、住まいの出入りの妨げにならないようにしたい。
屋敷への行き方と見学の条件は、中筋家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 中筋家住宅便益棟とはどんな建物ですか。
- 長屋門の北に建つ付属屋で、内部は便所・風呂場・物置などからなります。切妻造、平屋建、桟瓦葺で、建築面積は11平方メートルです。
- 中筋家住宅便益棟はいつ建てられましたか。
- 明治20年(1887年)です。平成10年(1998年)12月11日に登録有形文化財に登録されました。
- 中筋家住宅便益棟は見学できますか。
- 県道に面した外観は公道から見られます。内部と敷地は個人の住まいのため非公開です(2026年9月26日確認)。
- 中筋家住宅便益棟はなぜ登録有形文化財になったのですか。
- 「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録されました。外観を長屋門と貯蔵庫に合わせ、屋根を貯蔵庫よりわずかに低くして景観を整えている点が評価されています。
- 中筋家住宅便益棟と長屋門の間には何がありますか。
- 長屋門に附属する貯蔵庫があり、便益棟と貯蔵庫の間に勝手口が設けられています。
基本データ
| 名称 | 中筋家住宅便益棟(なかすじけじゅうたくべんえきとう) |
|---|---|
| 所在地 | 和歌山県和歌山市禰宜316 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) 登録番号 30-0025 |
| 指定年 | 平成10年(1998年)12月11日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、瓦葺、建築面積11平方メートル |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 非公開(外観は県道から見学可) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁) 中筋家住宅便益棟
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001004
- 国指定文化財等データベース(文化庁) 中筋家住宅長屋門
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001003
- 和歌山県教育庁「わかやまの文化財」 中筋家住宅
- https://wakayama-bunkazai.jp/bunkazai/bunkazai-spot-375/
最終更新日: 2026.09.26