街路に妻を向けた蔵

樽平酒造東蔵は、山形県東置賜郡川西町大字中小松にある造り酒屋の酒蔵で、19世紀初期の江戸時代に建てられ、平成9年(1997年)11月5日に国の登録有形文化財となった。読みは「たるへいしゅぞうひがしぐら」、登録番号は06-0012。

構造は土蔵造の平屋建、屋根は鉄板葺きで、建築面積は162平方メートル。中蔵の北の端に直角に接続して建つ。

文化庁の解説によれば、現在は主に醸造タンクを収めており、醸造施設の一端を担っている。江戸時代の蔵が、形を保ったまま現代の設備の器として働いていることになる。

登録の理由―三角の妻がつくる街並み

樽平酒造東蔵は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。評価の中心は、建物の東側の妻である。

東の妻は街路に接している。解説は、隣り合う建物とともに三角の屋根端を見せ、リズミカルな景観をつくると述べ、主屋とともに川西町のランドマークとして親しまれていると記す。7棟のうち、ランドマークと明記されているのは主屋とこの東蔵の2棟である。

蔵が通りに妻を向けるか、長い側面を向けるかで、街並みの印象は大きく変わる。樽平酒造東蔵は妻を向けて通りに接し、すぐ隣では土蔵が長い壁面を見せる。三角と横長の壁面が交互に並ぶことで、単調になりがちな白壁の列に拍子が生まれている。

見どころ―通りから見上げる妻面

国道沿いを歩くと、樽平酒造東蔵の妻が歩道のすぐ脇に立ち上がる。距離が近いので、少し離れて見上げると、三角形の輪郭と白い壁面の比率がつかみやすい。

妻面から横へ目を移すと、土蔵の壁面がそのまま続いていく。文化庁は土蔵の解説でも、東蔵の妻面から連なる壁面を街道沿いのランドマークと書いている。2棟を一続きの眺めとして見るのがよい。

もう一方の端は、敷地の奥で中蔵に直角に取り付く。表の妻は景観の役を、奥の接続部は醸造の動線を担うという、1棟の中での役割の違いも見どころである。

樽平酒造東蔵の見学

樽平酒造東蔵は醸造タンクを収めた現役の蔵で、自由には入れない。内部は樽平酒造の酒蔵見学(平日午後・要予約)で案内される範囲に限られる。

外観、とくに東の妻面は国道から常に見られ、通りからの撮影もできる。行き方と見学の申し込み方法は樽平酒造のページにまとめてある。

Q&A

Q樽平酒造東蔵はいつ建てられたのですか?
A文化庁のデータベースでは19世紀初期、江戸時代の建築とされています。
Q樽平酒造東蔵の見どころはどこですか?
A街路に接した東側の妻です。隣の土蔵の壁面と連なり、三角の屋根端が並ぶ街並みをつくっています。主屋とともに川西町のランドマークとされています。
Q樽平酒造東蔵はいまも使われていますか?
Aはい。文化庁の解説によると、現在は主に醸造タンクを収めており、醸造施設の一端を担っています。
Q樽平酒造東蔵の中は見学できますか?
A自由には入れません。平日午後の予約制の酒蔵見学で、案内される範囲に限って見られます。外観は国道からいつでも見られます。
Q樽平酒造東蔵はどのような文化財ですか?
A平成9年(1997年)11月5日に登録された登録有形文化財(建造物)で、登録番号は06-0012です。

基本情報

名称樽平酒造東蔵(たるへいしゅぞうひがしぐら)
所在地山形県東置賜郡川西町大字中小松2962
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号06-0012
指定年平成9年(1997年)11月5日登録
員数1棟
寸法土蔵造平屋建、鉄板葺、建築面積162平方メートル
所有者樽平酒造株式会社
公開状況外観は国道から見学可。内部は酒蔵見学(平日午後・要予約)で案内される範囲のみ

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):樽平酒造東蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000324
川西町:樽平酒造と掬粋巧芸館
https://www.town.kawanishi.yamagata.jp/kyoiku/bunka/taruhei.html
日本酒造組合中央会 酒蔵検索:樽平酒造(株)
https://japansake.or.jp/sakagura/jp/yamagata/taruhei-shuzou/

最終更新日: 2026.09.26