通りに長い壁を向けた標準的な土蔵

樽平酒造土蔵は、山形県東置賜郡川西町大字中小松にある造り酒屋の蔵で、明治後期に建てられ、平成9年(1997年)11月5日に国の登録有形文化財となった。読みは「たるへいしゅぞうどぞう」、登録番号は06-0014。

構造は土蔵造の2階建、屋根は鉄板葺きで、建築面積は85平方メートル。文化庁の解説は、長大な中蔵などと異なる標準的な規模の土蔵と説明している。醸造のために長く延ばした蔵ではなく、家の財や品物を納める、町や村で見慣れた大きさの蔵である。

街路に平行して建ち、平(ひら)、つまり屋根の流れ側の長い側面を通りに見せている。所在地は主屋と同じ中小松2886で、国道の西側、東蔵の隣に並ぶ。

登録の理由―置屋根と壁が連なる街道の眺め

樽平酒造土蔵は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。解説が特徴とするのは、軽快な置屋根と壁面の対比である。

置屋根は、土で厚く塗り込めた蔵の本体の上に、別に組んだ屋根を載せる形式をいう。重い壁の箱と、その上に軽く架かる屋根。この上下の差が、2階建ての小ぶりな蔵に引き締まった表情を与えている。

解説はさらに、東蔵の妻面から連なる壁面が、街道沿いのランドマークとして広く親しまれていると述べる。東蔵が三角の妻を、樽平酒造土蔵が長い平の壁を通りに向けることで、2棟はひと続きの景観として働いている。

見どころ―屋根と壁のあいだ

国道の反対側に渡って眺めるとよい。樽平酒造土蔵の長い壁面と、その上に載る置屋根が、東蔵の妻と並んで一度に見渡せる。

近づいたら、屋根と壁の境目に目を向けたい。置屋根の軽さは、屋根が壁の上端からわずかに浮いて見えるところに表れる。

敷地の中で最も小さい部類の蔵だが、通りに対しては最も長く壁を見せる蔵のひとつでもある。規模と景観上の役割が一致しない点に、この蔵の面白さがある。

樽平酒造土蔵の見学

外観は国道からいつでも眺められ、通りからの撮影もできる。内部を一般に公開するという案内はなく、酒蔵見学で案内されるかどうかは予約時に確かめたい。

行き方と酒蔵見学の申し込み方法は、樽平酒造のページにまとめてある。

Q&A

Q樽平酒造土蔵はいつ建てられたのですか?
A文化庁のデータベースでは明治後期の建築とされています。
Q樽平酒造土蔵の見どころはどこですか?
A軽快な置屋根と白い壁面の対比です。街路に平行して建ち、東蔵の妻面から続く長い壁面を通りに見せています。
Q樽平酒造土蔵はほかの蔵とどう違いますか?
A長大な中蔵などとは異なり、建築面積85平方メートルの標準的な規模の土蔵です。2階建てで、通りに長い側面を向けています。
Q樽平酒造土蔵の中は見学できますか?
A内部を一般に公開する案内はありません。外観は国道からいつでも見られます。
Q樽平酒造土蔵はどのような文化財ですか?
A平成9年(1997年)11月5日に登録された登録有形文化財(建造物)で、登録番号は06-0014です。

基本情報

名称樽平酒造土蔵(たるへいしゅぞうどぞう)
所在地山形県東置賜郡川西町大字中小松2886
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号06-0014
指定年平成9年(1997年)11月5日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、鉄板葺、建築面積85平方メートル
所有者樽平酒造株式会社
公開状況外観は国道から見学可。内部の公開案内なし

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):樽平酒造土蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000326
川西町:樽平酒造と掬粋巧芸館
https://www.town.kawanishi.yamagata.jp/kyoiku/bunka/taruhei.html
日本酒造組合中央会 酒蔵検索:樽平酒造(株)
https://japansake.or.jp/sakagura/jp/yamagata/taruhei-shuzou/

最終更新日: 2026.09.26