参道で最初にくぐる石の鳥居

神明社稲荷鳥居は、秋田県由利本荘市吉沢の吉沢神明社参道に立つ石造の鳥居で、文化7年(1810年)に建てられ、平成17年(2005年)7月12日に国の登録有形文化財に登録された。

参道の入口から石段を上がったところに立ち、社殿へ向かう参拝者が最初にくぐる鳥居である。吉沢神明社で登録された7件のうち最も古く、社殿が天保12年(1841年)に焼失するより前から、この場所に立っていたことになる。

大きさは、文化庁のデータベースの記載で高さ4.1メートル、幅3.0メートル。解説文では全高約4メートル、柱間約3メートルとされている。

稲荷鳥居という形式

反りのある笠木と、その下の島木をもち、柱の上端に台輪を挟む。この台輪をもつ形が稲荷鳥居の形式で、稲荷社に多く用いられることからこの名があるとされる。形式の名は稲荷鳥居だが、吉沢神明社の祭神は天照大神であり、稲荷社の鳥居というわけではない。

文化庁の解説が特徴として挙げるのは、厚みのある台輪と、幅の広い台形の額束である。由利本荘市の資料も、一般の鳥居に比べて亀腹(柱の根元を包む基壇の部分)と台輪が大きく、重厚な造りになっていると記している。

柱には内転びがつけられている。柱の高さ3.4メートルに対して25センチ、上へ行くほど柱が内側へ寄る。正面から見ると、左右の柱がわずかに寄り合い、鳥居全体が裾広がりの安定した形に見える。

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。石段の途中に立つ石の鳥居は、参道の景観の起点になっている。

神明社稲荷鳥居の見学

神明社稲荷鳥居は参道の一部であり、参拝者は石段を登る途中で必ずくぐることになる。見学に特別な手続きは要らない。

台輪の厚みと額束の台形は、鳥居の真下よりも、石段を数段下がって見上げたほうが読み取りやすい。柱の内転びも、正面から少し離れて左右の柱を見比べると分かる。そのまま石段を登った先には木造の両部鳥居が立ち、石と木、稲荷鳥居と両部鳥居という二つの形式を続けて比べられる。

石段は長く、雨の後や積雪期は滑りやすいので、足元に注意したい。撮影について定めた公式の案内は確認できなかった。境内への行き方と参拝の条件は、吉沢神明社のページにまとめてある。

Q&A

Q神明社稲荷鳥居はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
A文化7年(1810年)に建てられ、平成17年(2005年)7月12日に国の登録有形文化財(登録番号05-0121)に登録されました。吉沢神明社で登録された7件のうち最も古いものです。
Q神明社稲荷鳥居の大きさはどのくらいですか?
A文化庁のデータベースでは高さ4.1メートル、幅3.0メートルです。柱の高さは3.4メートルで、25センチの内転びがついています。
Q神明社稲荷鳥居はどのような形式ですか?
A反りのある笠木と島木をもち、柱の上に台輪を挟む稲荷鳥居の形式です。厚みのある台輪と幅の広い台形の額束が特徴です。
Q神明社稲荷鳥居は境内のどこにありますか?
A参道の入口から石段を上がったところにあり、参拝者が最初にくぐる鳥居です。さらに石段を登ると木造の両部鳥居があります。
Q神明社稲荷鳥居は自由に見学できますか?
A参道に立つ鳥居なので、参拝の際にくぐって見ることができます。石段は長いため、雨の後や冬は足元に注意してください。

基本情報

名称神明社稲荷鳥居(しんめいしゃいなりとりい)
所在地秋田県由利本荘市吉沢字上林42
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号05-0121、登録基準「国土の歴史的景観に寄与しているもの」
指定年平成17年(2005年)7月12日登録
員数1基
寸法石造、高さ4.1メートル、幅3.0メートル。柱高さ3.4メートル、内転び25センチ
所有者宗教法人神明社
公開状況参道にあり常時見学可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁) / 神明社稲荷鳥居
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004692
文化遺産オンライン / 神明社稲荷鳥居
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/170002
由利本荘市公式ウェブサイト / 神明社(国登録有形文化財)
https://www.city.yurihonjo.lg.jp/1001503/1002098/1002113/1002126/1003556.html
由利本荘市 / 資料「時代を生きる工匠の技 神明社」(PDF)
https://www.city.yurihonjo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/556/1003556_001.pdf

最終更新日: 2026.09.24