二つの境内社を一つに祀る社殿

神明社境内社合殿は、秋田県由利本荘市吉沢の吉沢神明社境内にある境内社の社殿で、明治中期に建てられ、平成17年(2005年)7月12日に国の登録有形文化財に登録された。

合殿(あいでん)は、複数の神を一つの社殿に合わせて祀る形をいう。神明社境内社合殿には、金刀比羅神社と秋葉神社が合わせて祀られている。神明社の略年表は造営を「明治中期」と記すのみで、年は特定されていない。文化庁のデータベースも年代を明治中期としている。

規模は桁行4間半、梁間3間の木造平屋建。切妻造の妻入で屋根は鉄板葺とし、建築面積は21平方メートル。吉沢神明社の本社の社殿群とは別に、境内社のために建てられた独立の建物である。

外は簡素に、内陣は組物で

外観は控えめである。正面の柱の上に舟肘木を飾り、妻には梁を重ねている。由利本荘市の資料は、装飾は簡潔だが妻飾に化粧梁と化粧束を付けた、秋田地方に多く見られる明治中期の社殿と評している。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

内部に入ると構えが変わる。奥から4尺半の位置に円柱を立て、出組の組物、実肘木、蟇股で飾り、床を一段高く張って内陣としている。外は舟肘木程度にとどめ、神を祀る奥の部分にだけ組物を用いる。見せる場所と抑える場所のめりはりがはっきりした造りである。

外陣の天井の一部には、龍を描いた墨絵がある。この絵には嘉永5年(1852年)の銘が入っている。社殿は明治中期の建築とされるので、絵の銘はそれより数十年古い。どのような経緯でこの天井に収まったのかは、公表された資料からは分からない。

神明社境内社合殿の見学

神明社境内社合殿の内部は公開されていない。内陣の組物や外陣天井の龍の墨絵は、外から見ることはできない。

外観は境内から見ることができる。正面の柱の上の舟肘木と、妻に重ねた梁、化粧束が、この建物の数少ない飾りである。妻入の建物なので、正面に立つと切妻の三角形がそのまま正面の輪郭になる。

撮影について定めた公式の案内は確認できなかった。境内社への参拝や撮影で不明な点があれば、神社に確かめておくのが確実である。境内への行き方と参拝の条件は、吉沢神明社のページにまとめてある。

Q&A

Q神明社境内社合殿には何が祀られていますか?
A吉沢神明社の境内社である金刀比羅神社と秋葉神社が、一つの社殿に合わせて祀られています。
Q神明社境内社合殿はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
A明治中期の建築とされ、平成17年(2005年)7月12日に国の登録有形文化財(登録番号05-0119)に登録されました。正確な建築年はわかっていません。
Q神明社境内社合殿の建物の特徴は何ですか?
A桁行4間半、梁間3間の切妻造・妻入の社殿で、外観は舟肘木や妻の梁程度の簡素な飾りですが、内部は奥に円柱を立てて出組・実肘木・蟇股で飾り、一段高い内陣としています。
Q神明社境内社合殿の天井の龍の絵はいつのものですか?
A外陣天井の一部にある龍の墨絵には嘉永5年(1852年)の銘があり、明治中期とされる社殿の建築より古いものです。
Q神明社境内社合殿の内部は見学できますか?
A内部は公開されていません。外観は境内から見ることができます。

基本情報

名称神明社境内社合殿(しんめいしゃけいだいしゃあいでん)
所在地秋田県由利本荘市吉沢字上林42
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号05-0119、登録基準「国土の歴史的景観に寄与しているもの」
指定年平成17年(2005年)7月12日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、鉄板葺、建築面積21平方メートル。桁行4間半、梁間3間
所有者宗教法人神明社
公開状況内部非公開。外観は境内から見学可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁) / 神明社境内社合殿
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004690
由利本荘市公式ウェブサイト / 神明社(国登録有形文化財)
https://www.city.yurihonjo.lg.jp/1001503/1002098/1002113/1002126/1003556.html
由利本荘市 / 資料「時代を生きる工匠の技 神明社」(PDF)
https://www.city.yurihonjo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/556/1003556_001.pdf
秋田県神社庁 / 秋田の神社検索 神明社(由利本荘市吉沢)
https://akita-jinjacho.sakura.ne.jp/shrine_search/%e7%a5%9e%e6%98%8e%e7%a4%be-44/

最終更新日: 2026.09.24