南北朝時代の大薙刀

大薙刀〈無銘伝法城寺〉は、千葉県立中央博物館(千葉市中央区)が保管施設となっている南北朝時代(14世紀)の大薙刀で、昭和34年(1959年)6月27日に国の重要文化財に指定された。所有者は千葉県で、実物は夷隅郡大多喜町にある同館の大多喜城分館に置かれている。

刃の長さは80.6センチ、反りは3.8センチある。銘は刻まれていないが、法城寺派の刀工による作と考えられている。名称の「伝法城寺」は「法城寺の作と伝える」という意味で、寺の名前ではない。

法城寺派と薙刀

法城寺派は、但馬国、現在の兵庫県朝来市に本拠を置いた刀工の流派である。なかでも法城寺国光は、薙刀の名人として知られている。

薙刀は長い柄の先に反りのある刃を付けた武器で、大薙刀はそのうち刃の長いものを指す。千葉県の解説は、南北朝時代の大薙刀は全国的にも類例が少ないとしている。そのうえで、同じく国の文化財に指定された大薙刀として、福島県いわき市の飯野八幡宮と岡山県の遍明院に伝わるものを挙げている。

作られた当時のままの茎

茎(なかご)は、刃のうち柄の中に差し込まれる部分である。刀剣は後の時代に使い手に合わせて茎を切り詰め、寸法を短くすることが多い。この大薙刀は茎の形が作られた当時のまま残る「生ぶ茎(うぶなかご)」で、千葉県は、それが珍しく、製作当時の状況をよく伝える点で貴重だと評価している。

千葉県と千葉市はともに、大薙刀〈無銘伝法城寺〉を、鎌倉時代から現れた大薙刀のなかでも屈指の名品と紹介している。

見学について

大薙刀〈無銘伝法城寺〉が置かれている大多喜城分館は、施設改修のため令和3年(2021年)12月27日から休館しており、建物の中には入れない。敷地内への立ち入りはでき、隣の研修館などを使った展示が行われているが、大薙刀が展示されるかどうかは分館の公式の案内で確かめる必要がある。

大多喜城分館は大多喜町大多喜481、大多喜城の本丸跡に建つ。資料の利用や閲覧を希望する場合は、メールか電話で問い合わせるよう案内されており、電話の窓口は千葉県立中央博物館本館(043-265-3111)である。

Q&A

Q大薙刀〈無銘伝法城寺〉は見られますか。
A実物が置かれている大多喜城分館は、令和3年(2021年)12月から施設改修のため休館しています。展示の予定は分館の公式サイトか中央博物館本館で確認してください。
Q大薙刀〈無銘伝法城寺〉の「伝法城寺」とは何ですか。
A銘はないものの、法城寺派の刀工の作と伝えられていることを表しています。法城寺派は但馬国を本拠とした刀工の流派で、寺の名前ではありません。
Q大薙刀〈無銘伝法城寺〉はいつの時代のものですか。
A南北朝時代(14世紀)に作られたと考えられています。
Q大薙刀〈無銘伝法城寺〉の大きさは。
A刃の長さが80.6センチ、反りが3.8センチです。
Q大薙刀〈無銘伝法城寺〉はなぜ重要文化財なのですか。
A同時代の大薙刀が少ないうえ、茎が作られた当時の形のまま残る「生ぶ茎」で、製作当時の状況をよく伝えるためです。昭和34年(1959年)6月27日に指定されました。

基本データ

名称大薙刀〈無銘伝法城寺〉(おおなぎなた〈むめいでんほうじょうじ〉)
所在地千葉県千葉市中央区青葉町955-2(千葉県立中央博物館)。実物は大多喜城分館(千葉県夷隅郡大多喜町大多喜481)で保管
指定区分重要文化財(工芸品)
指定年昭和34年(1959年)6月27日指定
員数1口
寸法刃長80.6センチメートル、反り3.8センチメートル
所有者千葉県
公開状況大多喜城分館は令和3年(2021年)12月27日から休館中(敷地内のみ立ち入り可)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)大薙刀〈無銘伝法城寺/〉
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/6622
千葉県 大薙刀(無銘 伝法城寺)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/n141-010.html
千葉市 大薙刀 無銘伝法城寺(国指定文化財)
https://www.city.chiba.jp/kyoiku/shogaigakushu/bunkazai/oonaginata.html
千葉県立中央博物館 中央博物館 大多喜城分館
https://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/sonan/

最終更新日: 2026.09.26