玉前神社に伝わる鎌倉時代の鏡
梅樹双雀鏡は、千葉県長生郡一宮町の玉前神社に伝わる鎌倉時代の白銅製の鏡で、昭和28年(1953年)11月14日に国の重要文化財に指定された。読みは「ばいじゅそうじゃくきょう」で、直径は20.5センチある。
白銅は銅と錫を合わせた合金で、磨くと白く光る。鏡の中央のつまみ(鈕)は文様のない丸い形で、縁は断面がかまぼこ形になっている。
神前に懸けられた鏡
縁に接して小さな穴が2つ開いている。千葉県は、この穴を、鏡がかつて御正体(神体)として神前に懸けられていたことを示すものと推測している。
一宮町も同じく、神社の本尊として神前に掛けていたと思われる鏡として紹介している。
梅の老木と二羽の雀
名前のとおり、鏡の背面には梅の木と2羽の雀が表されている。下の方には若草の萌える洲浜と流水をあしらい、その右寄りに梅の老木を描く。左では大きく曲がった幹の上で2羽の雀がたわむれ、洲浜の左の隅には立ち枯れのススキが1株添えられている。
千葉県は、のどかな春の情景を写実的に描いたこの図柄を日本的な趣向にあふれたものとし、菊花文とともに鎌倉時代に好まれた絵柄だと説明している。平安時代の鏡が草花や花の枝を文様にしたのに対し、鎌倉時代には梅や桜などの樹木を背面全体に表すものが多くなり、重厚さも加わった。
千葉県の公式観光サイトは、梅樹双雀鏡を鋳上がりがよく、和鏡のなかでも優れたものの一つと紹介している。
見学について
梅樹双雀鏡は千葉県立中央博物館の大多喜城分館に寄託されている。大多喜城分館は施設改修のため令和3年(2021年)12月27日から休館しており、建物の中には入れない。展示の予定は中央博物館本館(電話043-265-3111)に確かめたい。
所有者の玉前神社は長生郡一宮町一宮3048にある上総国一之宮で、神社で鏡を見ることはできない。
Q&A
- 梅樹双雀鏡は見られますか。
- 大多喜城分館に寄託されていますが、分館は令和3年(2021年)12月から休館中です。展示の予定は中央博物館本館に確認してください。
- 梅樹双雀鏡にはどんな絵が表されていますか。
- 洲浜と流水、梅の老木、曲がった幹にたわむれる2羽の雀、立ち枯れのススキが表されています。
- 梅樹双雀鏡の大きさと材質は。
- 直径20.5センチの白銅製です。
- 梅樹双雀鏡の縁にある穴は何ですか。
- 2つの小さな穴で、鏡が御正体として神前に懸けられていたことを示すと推測されています。
- 梅樹双雀鏡はいつ重要文化財になったのですか。
- 昭和28年(1953年)11月14日に国の重要文化財(工芸品)に指定されました。
基本データ
| 名称 | 梅樹双雀鏡(ばいじゅそうじゃくきょう) |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県長生郡一宮町一宮3048(玉前神社)。千葉県立中央博物館大多喜城分館保管 |
| 指定区分 | 重要文化財(工芸品) |
| 指定年 | 昭和28年(1953年)11月14日指定 |
| 員数 | 1面 |
| 寸法 | 直径20.5センチメートル |
| 所有者 | 玉前神社 |
| 公開状況 | 大多喜城分館に寄託(分館は令和3年(2021年)12月27日から休館中) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)梅樹双雀鏡
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/5574
- 千葉県 梅樹双雀鏡
- https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/n141-005.html
- 一宮町 国指定文化財
- https://www.town.ichinomiya.chiba.jp/kankou/kankouannai/bunkazai/kokutei.html
- ちば観光ナビ 上総国一之宮 玉前神社
- https://maruchiba.jp/spot/detail_10313.html
- 千葉県立中央博物館 中央博物館 大多喜城分館
- https://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/sonan/
最終更新日: 2026.09.26