宮醤油店店舗 ― 県道に面した明治25年の店構え

宮醤油店店舗は、千葉県富津市佐貫にある醤油醸造元・宮醤油店の売り場で、明治25年(1892年)に建てられ、平成19年(2007年)に登録有形文化財に登録された木造2階建の町家である。読みは「みやしょうゆてんてんぽ」。

敷地の北側で県道に面し、西に店蔵、東に脇蔵を従えて表構えの中央を占める。規模は桁行5間、梁間3間、建築面積60平方メートル。屋根は切妻造の桟瓦葺で、棟と平行する長い側を通りに向けた平入とする。

同社の沿革には、明治25年1月に店舗を新築し、落成を祝う大売り出しを催したと記されている。宮醤油店店舗は、130年余り前に客を迎えるために建てられ、今も同じ用途で使われている。

登録の理由 ― 表構えをつくる堅牢な造り

宮醤油店店舗は、平成19年(2007年)7月31日に登録有形文化財(登録番号12-0073)となり、同年8月13日に告示された。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、堅牢で丁寧なつくりが重厚な外観を形づくっている点を挙げる。

通りに向けた1階には引戸を立て、2階には格子窓を並べる。2階の軒は出桁造で、腕木で持ち出した桁が深い軒を受ける。その桁の端を覆う桁隠には、絵様繰形と呼ばれる彫刻の文様が施されている。商家が店構えの格を示そうと手をかけた部分である。

もう一つ、文化庁の記録が書き留めているのが揚戸である。揚戸は、日中は戸を上へ吊り上げて間口を開け、店じまいのときに下ろして戸締まりをする板戸で、宮醤油店店舗の1階では今も使われている。

見どころ ― 軒下と間口を読む

宮醤油店店舗の前に立ったら、まず道の反対側から全体を眺め、それから近づいて軒を見上げたい。2階の軒先に突き出た出桁の端に、桁隠の彫り物が一列に並んでいる。

左右の蔵と一緒に見ると、この建物の役割がよくわかる。西の店蔵と東の脇蔵はどちらも妻側を県道に向けて塗戸を構え、木造の宮醤油店店舗を土蔵2棟が両脇から挟む。登録の理由になった「景観」とは、この3棟の並びのことである。

店内には宮醤油店の醤油が並ぶ。夏を2回越した2年もろみを合わせる特撰醤油や、前年のもろみから最も出来のよいものを選んで搾る数量限定の「かずさむらさき」など、この蔵で仕込まれた品を手に取れる。

見学方法

宮醤油店店舗は営業中の店で、営業時間内であれば誰でも中に入れる。入場料はかからない。外観は県道から自由に見られ、桁隠の彫り物や揚戸も店の前から確かめられる。

店内での撮影は、買い物客や仕事の妨げにならないよう店の人に断ってからにしたい。店への行き方、営業時間、工場見学の受け付けは宮醤油店のページにまとめてある。

Q&A

Q宮醤油店店舗は中に入れますか?
A入れます。現役の醤油の売り場で、営業時間内なら誰でも入店でき、入場料はかかりません。
Q宮醤油店店舗はいつ建てられましたか?
A明治25年(1892年)です。宮醤油店の沿革では、同年1月に新築され、記念の大売り出しが開かれたとされています。
Q宮醤油店店舗の建築で見ておきたいところは?
A2階の出桁造の軒と、桁隠に施された絵様繰形、1階に残る揚戸です。揚戸は今も使われています。
Q宮醤油店店舗はどの文化財に当たりますか?
A平成19年(2007年)7月31日に登録された登録有形文化財(建造物)で、登録番号は12-0073です。同じ敷地の8棟も同じ日に登録されました。
Q宮醤油店店舗は敷地のどこにありますか?
A敷地の北側、県道に面した表構えの中央です。西に店蔵、東に脇蔵が並び、南には主屋が連続して建っています。

基本情報

名称宮醤油店店舗(みやしょうゆてんてんぽ)
所在地千葉県富津市佐貫字西正石247
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成19年(2007年)7月31日登録
員数1棟
寸法桁行5間、梁間3間、建築面積60平方メートル
所有者個人
公開状況店舗として営業中。営業時間内は入店可

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「宮醤油店店舗」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006514
千葉県教育委員会「宮醤油店店舗ほか」
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/q111-074.html
有限会社宮醤油店「会社概要」(沿革)
https://www.miyashoyu.co.jp/profile.html
有限会社宮醤油店「製品」
https://www.miyashoyu.co.jp/products.html

最終更新日: 2026.09.26