宮醤油店西蔵 ― 創業時の木樽が残る大きな醤油蔵

宮醤油店西蔵は、千葉県富津市佐貫の醤油醸造元・宮醤油店にある明治5年(1872年)建築の醤油蔵で、平成19年(2007年)に登録有形文化財に登録された。読みは「みやしょうゆてんにしぐら」。

主屋の南に中庭を挟んで建つ。桁行10間半、梁間3間、建築面積115平方メートルの土蔵造2階建で、東西に棟を通した切妻造の桟瓦葺、小屋組は和小屋である。建築面積は登録された9棟のなかで最も大きく、年代では江戸末期の店蔵に次いで古い。

登録の理由 ― 規模と、中で使われ続ける木樽

宮醤油店西蔵は、平成19年(2007年)7月31日に登録有形文化財(登録番号12-0078)となった。基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。文化庁の解説は、規模の大きな醤油蔵であること、妻壁を白い漆喰で塗った外観が敷地西辺の景観を引き締めていることを挙げる。

内部には木樽が8つ据えられ、そのうち6つは天保5年(1834年)の創業時のものが残るという(文化庁の記録)。建物だけでなく、その中で使われてきた道具も一緒に伝わっている点が、宮醤油店西蔵のいちばんの価値である。

見どころ ― 蔵そのものが醸造の道具

天然醸造では、蔵や木桶に住みつく微生物がもろみの味を左右するとされる。富津市観光協会の紹介も、木桶と土蔵にすみついた無数の酵母が宮醤油店の醤油をつくると説明している。温度を機械で整えない以上、壁の厚さや風の通り方まで仕込みの条件になる。百五十年を超えて使われてきた宮醤油店西蔵は、それ自体が醸造の道具の一部でもある。

外から見るなら、白漆喰の妻壁に目を向けたい。棟が東西に走るので妻は東と西を向き、西の妻壁が敷地の西の縁をきりっと締めている。

見学方法

宮醤油店西蔵は敷地の奥に建ち、常時公開はされていない。工場見学(無料、事前の連絡が望ましい)では醸造の現場が案内されるが、どの蔵に入れるかは公表されていないので、申し込むときに確かめたい。店への行き方、営業時間、工場見学の受け付けは宮醤油店のページにまとめてある。

Q&A

Q宮醤油店西蔵は見学できますか?
A常時公開はされていません。宮醤油店は無料の工場見学を受け付けていますが、どの蔵に入れるかは申し込み時に確認してください。
Q宮醤油店西蔵はいつ建てられましたか?
A明治5年(1872年)です。登録された9棟のなかで、江戸末期の店蔵に次いで古い建物です。
Q宮醤油店西蔵の木樽はどれくらい古いのですか?
A文化庁の記録によれば、据えられた8つの木樽のうち6つは天保5年(1834年)の創業時のものです。
Q宮醤油店西蔵はどの文化財に当たりますか?
A平成19年(2007年)7月31日に登録された登録有形文化財(建造物)で、登録番号は12-0078です。
Q宮醤油店西蔵は敷地のどこにありますか?
A主屋の南に、中庭を挟んで建っています。白漆喰の妻壁が敷地の西辺に面しています。

基本情報

名称宮醤油店西蔵(みやしょうゆてんにしぐら)
所在地千葉県富津市佐貫字西正石247
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成19年(2007年)7月31日登録
員数1棟
寸法桁行10間半、梁間3間、建築面積115平方メートル
所有者個人
公開状況常時公開なし。工場見学の範囲は要問い合わせ

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「宮醤油店西蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006521
千葉県教育委員会「宮醤油店店舗ほか」
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/q111-074.html
富津市観光協会「有限会社宮醤油店」
https://www.futtsu-kanko.info/places/miyashoyu/
有限会社宮醤油店「会社概要」(沿革)
https://www.miyashoyu.co.jp/profile.html

最終更新日: 2026.09.26