独立柱1本で支える明治41年の仕込蔵

安本酒造仕込蔵二は、福井県福井市安原町の安本酒造に建つ明治41年(1908年)建築の土蔵造2階建の仕込蔵で、平成27年(2015年)3月26日に国の登録有形文化財に登録された。瓦葺で、建築面積は102平方メートルある。

明治22年(1889年)の仕込蔵一から約20年後に建てられた2棟目の仕込蔵で、仕込みの量を増やしていった時期の安本酒造の様子がうかがえる。

軒下まで張った簓子下見板

文化庁の解説によれば、安本酒造仕込蔵二は上槽場の東に作業場を介して建ち、棟を南北に通す。外壁は漆喰塗で、その下を軒下まで簓子下見板張とする。

下見板張は横板を少しずつ重ねて張る外壁で、簓子下見板は板の重なりに合わせて刻んだ縦の押縁(簓子)で板を押さえる。腰まわりだけを板張りにする仕込蔵一に対し、仕込蔵二は軒下まで板で覆っており、白壁より板の面が勝った外観になる。

内部では、屋根を登梁で受け、室内を1本の独立柱だけで支えている。文化庁はこれを「発達した構造」と評する。2階建の蔵の中央に柱が1本しか立たないため、1階には仕込みに使うタンクを並べる広い床がとれる。

構造に見る仕込蔵の工夫

安本酒造仕込蔵二の登録番号は18-0128。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、文化庁は造り酒屋の歴史的な景観を見せる蔵としている。

明治の仕込蔵一が精米・蒸し・仕込みを1棟に収めた長い建物であるのに対し、仕込蔵二は仕込みに特化し、柱を減らして床を広くとる方向へ進んでいる。2棟の仕込蔵を比べると、20年ほどの間に蔵の造り方がどう変わったかが見えてくる。

安本酒造仕込蔵二の見学

安本酒造仕込蔵二は上槽場の東、敷地の奥に建ち、文化庁の解説でも道に面するとはされていない。外から眺めるのは難しいと考えておきたい。

安本酒造は酒蔵見学を受け付けておらず、独立柱の内部空間を見る機会も案内されていない。敷地には入らないでほしい。

Q&A

Q安本酒造仕込蔵二はいつ建てられましたか?
A明治41年(1908年)の建築です。明治22年(1889年)の仕込蔵一より約20年後の蔵です。
Q安本酒造仕込蔵二の構造の特徴は?
A小屋組を登梁とし、内部を1本の独立柱だけで支えています。文化庁は発達した構造と評しています。
Q安本酒造仕込蔵二の外観はどうなっていますか?
A漆喰塗の土蔵で、軒下まで簓子下見板を張っています。棟は南北方向です。
Q安本酒造仕込蔵二は見学できますか?
A内部は公開されておらず、酒蔵見学も受け付けていません。敷地の奥にあるため、外から見るのも難しいと考えられます。
Q安本酒造仕込蔵二はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成27年(2015年)3月26日に登録されました。登録番号は18-0128です。

基本情報

名称安本酒造仕込蔵二(やすもとしゅぞうしこみぐらに)
所在地福井県福井市安原町7字下堀田4他
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号18-0128
指定年平成27年(2015年)3月26日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積102平方メートル。明治41年(1908年)建築
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況非公開。敷地の奥にあり外からは見えにくい

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):安本酒造仕込蔵二
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010445
福井市:建造物一覧
https://www.city.fukui.lg.jp/kankou/bunka/bunkazai/kennzoubutu.html
福いろ(福井市観光公式サイト):安本酒造/「白岳仙」
https://fuku-iro.jp/gourmet/detail_10706.html

最終更新日: 2026.09.28