精米から仕込みまでを収めた長大な蔵

安本酒造仕込蔵一は、福井県福井市安原町の安本酒造に建つ明治22年(1889年)建築の酒蔵で、平成27年(2015年)3月26日に国の登録有形文化財に登録された。昭和12年(1937年)に改修を受けている。木造及び土蔵造の平屋建と土蔵造2階建がつながった瓦葺の建物で、建築面積は205平方メートルと、安本酒造の10件でもっとも大きい。

店舗兼主屋と同じ明治22年に建てられており、造り酒屋としての安本酒造の中核を最初から担ってきた蔵である。

北から精米所・蒸し場・仕込場

文化庁の解説によれば、安本酒造仕込蔵一は店舗兼主屋の東方にあり、表門の奥から煙突を挟んで南北に長く延びる。北から順に旧精米所、旧酒米蒸し場、仕込場が並ぶ。

精米した米を蒸し、麹と合わせてタンクで仕込む。酒造りの前半の工程が、1棟のなかで北から南へ順に配されている。蒸し場の焚口に通じていたのが、この蔵の北に立つ煉瓦造の煙突である。

南側の仕込場は2階建の土蔵で、1階に貯蔵タンクを並べ、2階に麹室を置く。麹室は蒸米に麹菌を繁殖させる部屋で、温度と湿度を保つために厚い壁で囲う。熱のこもる2階に麹室をとり、1階にタンクを据える上下の使い分けが、仕込場の断面に表れている。

外壁は漆喰塗で、腰まわりを下見板張とする。白い壁と黒い板張りが長い側面に続き、酒造場らしい景観をつくっている。

酒造場の景観をつくる土蔵

安本酒造仕込蔵一の登録番号は18-0127。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、文化庁は酒造場の景観を形成する土蔵と位置づけている。

南端には上槽場がつながり、仕込んだ醪を搾る工程へと続く。仕込蔵一と上槽場を合わせると、敷地の東寄りに酒造りの動線が一続きに通っていることになる。

安本酒造仕込蔵一の見学

安本酒造仕込蔵一は表門の奥に建つ。北端の部分が門越しに見えることはあっても、長い側面を見られる公道は文化庁の解説からは確認できない。

安本酒造は酒蔵見学と試飲を受け付けておらず、仕込蔵一の内部も公開されていない。門の中へは入らず、旧街道から見える範囲で眺めてほしい。

Q&A

Q安本酒造仕込蔵一はいつ建てられましたか?
A明治22年(1889年)の建築で、昭和12年(1937年)に改修されています。
Q安本酒造仕込蔵一には何がありましたか?
A北から旧精米所、旧酒米蒸し場、仕込場が並びます。仕込場は2階建の土蔵で、1階に貯蔵タンク、2階に麹室があります。
Q安本酒造仕込蔵一の大きさは?
A建築面積は205平方メートルで、安本酒造の10件のなかでもっとも大きい建物です。
Q安本酒造仕込蔵一の内部は見学できますか?
A内部は公開されておらず、安本酒造は酒蔵見学を受け付けていません。表門の奥にあるため、外からも見える範囲は限られます。
Q安本酒造仕込蔵一はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成27年(2015年)3月26日に登録されました。登録番号は18-0127です。

基本情報

名称安本酒造仕込蔵一(やすもとしゅぞうしこみぐらいち)
所在地福井県福井市安原町7字下堀田4他
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号18-0127
指定年平成27年(2015年)3月26日登録
員数1棟
寸法木造及び土蔵造平屋建並びに土蔵造2階建、瓦葺、建築面積205平方メートル。明治22年(1889年)建築、昭和12年(1937年)改修
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況非公開。表門の奥にあり外からは一部のみ

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):安本酒造仕込蔵一
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010444
福井市:建造物一覧
https://www.city.fukui.lg.jp/kankou/bunka/bunkazai/kennzoubutu.html
福いろ(福井市観光公式サイト):安本酒造/「白岳仙」
https://fuku-iro.jp/gourmet/detail_10706.html

最終更新日: 2026.09.28