料亭満佐厨房棟とは

料亭満佐厨房棟は、福岡市博多区中洲一丁目の料亭満佐で主屋棟の背面に接続して昭和29年(1954年)に建てられた木造2階建の建物で、令和元年(2019年)9月10日に国の登録有形文化財に登録された。

建築面積は140平方メートル。料理をつくる厨房と店の帳場を収めた、いわば料亭の裏方の棟である。登録番号は40-0161で、主屋棟と同じ年に建てられた。

料亭満佐厨房棟の間取り

文化庁の解説によれば、料亭満佐厨房棟は1階に中廊下を通し、その北側に厨房や帳場、南側に居室を置く。2階には応接間などがある。北の厨房から主屋棟の客室へ料理を運び、帳場で勘定と予約を受け持つという、料亭の営業を支える部屋がこの棟にまとまっている。南の居室は店の人が日々を過ごした部屋とみられる。

屋根は切妻造、寄棟造、入母屋造の三つの形を組み合わせた桟瓦葺である。主屋棟の背面にもたれかかるように建ち、用途の違う部屋を一つの棟に収めたため、屋根も部分ごとに形を変えている。

吉田五十八流の手法

料亭満佐厨房棟が裏方の棟でありながら登録されたのは、居室と応接間のつくりによる。文化庁はここに「吉田五十八流の手法がみられる」と書いた。新興数寄屋を考え出した建築家吉田五十八の名を、料亭満佐の5件の解説のなかで挙げているのはこの棟だけである。

挙げられた手法は三つある。一つは居室や応接間の壁を大壁とすること。文化庁の答申は、応接間の大壁が布張りであることにも触れている。二つ目は横桟だけを通した建具で、縦の桟を省くことで障子や戸の表情が水平に伸びる。三つ目は天井で、細い竿縁を間隔を詰めたり空けたりする吹寄せで並べ、その中に照明を埋め込んでいる。照明器具を天井から吊り下げず、天井の面の中に収めた処理である。

登録基準について、文化庁データベースは料亭満佐厨房棟を「造形の規範となっているもの」としているが、平成31年(2019年)3月の文化審議会答申の一覧では基準が「国土の歴史的景観に寄与しているもの」と記されている。ここではデータベースの記載に従った。

料亭満佐厨房棟の見学

料亭満佐厨房棟は今も厨房や帳場として使われる営業中の建物で、客が立ち入る場所ではない。文化財としての公開日もない。

主屋棟の背後に隠れているため、料亭満佐厨房棟は通りからも見えない。2階の応接間が客の控えや応接に使われることがあるかどうかは、公的な資料では確かめられない。食事で訪れた場合も、裏方の部屋の見学や撮影は店に断ってからにしたい。

Q&A

Q料亭満佐厨房棟はいつ建てられ、いつ登録されましたか?
A昭和29年(1954年)の建築で、令和元年(2019年)9月10日に登録有形文化財に登録されました。登録番号は40-0161です。
Q料亭満佐厨房棟には何がありますか?
A1階の中廊下の北に厨房や帳場、南に居室があり、2階には応接間などがあります。主屋棟の背面につながる料亭の裏方の棟です。
Q料亭満佐厨房棟の「吉田五十八流の手法」とは何ですか?
A大壁の居室と応接間、横桟だけの建具、細い竿縁を吹寄せに並べて照明を埋め込んだ天井などです。文化庁がこの棟の解説で指摘しています。
Q料亭満佐厨房棟は見学できますか?
A厨房や帳場として使われる建物で、一般の見学はできません。主屋棟の背後にあり、通りからも見えません。
Q料亭満佐厨房棟の登録基準は何ですか?
A文化庁データベースでは「造形の規範となっているもの」です。ただし文化審議会答申の一覧では「国土の歴史的景観に寄与しているもの」と記されており、資料の間で食い違いがあります。

基本情報

名称料亭満佐厨房棟
所在地福岡県福岡市博多区中洲1丁目103他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和元年(2019年)9月10日登録
員数1棟
寸法建築面積140平方メートル
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況料亭として営業(完全予約制、初回は紹介が必要)。文化財としての一般公開はなし

参考文献

国指定文化財等データベース「料亭満佐厨房棟」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013005
文化遺産オンライン「料亭満佐厨房棟」(文化庁)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/402898
登録有形文化財(建造物)の登録について 別紙(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/__icsFiles/afieldfile/2019/03/15/a1414399_03.pdf

最終更新日: 2026.10.04