旧堀切家住宅主屋とは
旧堀切家住宅主屋は、福島県福島市飯坂町の旧堀切邸の中心に建つ近代和風住宅で、明治14年(1881年)に建てられ、令和2年(2020年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは、文化庁のデータベースでは「きゅうほりきりけじゅうたくおもや」、福島市の文化財一覧では「しゅおく」とされている。
明治13年(1880年)、堀切家の屋敷は火災に遭い、主屋も焼けた。いまの主屋は翌年に建て直されたもので、木造平屋建、建築面積は281平方メートルある。旧堀切邸の公式サイトは建坪を約84坪とし、主な部屋を9室と紹介している。
旧堀切家住宅主屋は摺上川の右岸、敷地の西側に南を向いて建つ。北に新蔵と中蔵、北東に道具蔵、南西の隅に書庫が寄り添い、新蔵・道具蔵・書庫とは廊下でつながっている。屋敷の建物はこの主屋を軸に組み立てられている。
旧堀切家住宅主屋が登録された理由
旧堀切家住宅の6件のうち、登録基準が「造形の規範となっているもの」なのは旧堀切家住宅主屋だけで、ほかの5件は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録されている。建物そのものの形と意匠が評価されたということになる。
文化庁の解説が最後に挙げるのは屋根である。寄棟造の大屋根を天然スレートで葺いており、こうした近代和風建築は数が少ないとして、その希少な一例と位置づけている。公式サイトによると、スレートは宮城県石巻市産の天然石を使っている。
公式サイトはさらに、火災のあとの急ごしらえの普請であったにもかかわらず、天井を高くとり、座敷飾りの造作にも手を抜かず、天窓から光を採り入れる工夫まで見られる点を挙げている。焼け跡から1年で建て直した家に、これだけの手間がかけられている。
旧堀切家住宅主屋の見どころ
まず正面にまわりたい。旧堀切家住宅主屋の南正面では、入母屋造の玄関の上に大振りの千鳥破風が重なり、寄棟の大屋根に二段の三角形が浮かぶ。平屋の住宅でありながら、正面にだけ格式の高い構えを見せる造りである。
屋根に葺かれたスレートは、粘板岩を薄く割った石の板である。瓦に比べて薄く軽い。瓦屋根の蔵が並ぶ屋敷のなかで、主屋だけが石の屋根を持っていることも見比べると分かる。
室内では次の間の天井に目を向けたい。竿縁天井の竿縁を円弧を描くように折り上げ、部屋の中央に向かって天井を高くしている。文化庁の解説が意匠を凝らした例として特に取り上げている部分である。
主屋の部屋のうち三つは、いまは研修室1(居間)、研修室2(中の間)、研修室3(納戸)と呼ばれている。括弧内の名前が、堀切家が暮らしていた頃の部屋の使い方を残している。
旧堀切家住宅主屋の見学
旧堀切家住宅主屋は旧堀切邸の開館時間中に見学でき、入館は無料である。展示のある新蔵と道具蔵は、主屋と廊下でつながっている。
ただし居間・中の間・納戸の3室と調理実習室は、研修室として5人以上の団体に貸し出されている。催しや稽古で使われているときは、その部屋に入ることはできない。次の間の天井を確実に見たい場合は、受付で部屋の使用状況を尋ねるとよい。
正面の玄関と千鳥破風は、南側の庭から主屋を見上げるとよく分かる。スナップ程度の撮影についての制限は公式サイトに見当たらないが、機材を持ち込んでの撮影や、雑誌など媒体への掲載を前提とした撮影には事前の行為許可申請が必要とされている(2026年10月確認)。
Q&A
- 旧堀切家住宅主屋はいつ建てられたのですか?
- 明治14年(1881年)です。前年の明治13年(1880年)に堀切家の屋敷が火災に遭い、主屋も焼けたため、翌年に建て直されました。木造平屋建で、建築面積は281平方メートルです。
- 旧堀切家住宅主屋の屋根は何で葺かれていますか?
- 寄棟造の大屋根を天然スレートで葺いています。旧堀切邸の公式サイトによると、宮城県石巻市産の天然石です。文化庁は、天然スレート葺の近代和風建築として希少な一例と評価しています。
- 旧堀切家住宅主屋は中に入って見学できますか?
- はい。旧堀切邸の開館時間(午前9時から午後9時、入館無料)に見学できます。ただし居間・中の間・納戸の3室と調理実習室は団体向けに貸し出されており、使用中は入れません。
- 旧堀切家住宅主屋が登録有形文化財になった理由は何ですか?
- 登録基準は「造形の規範となっているもの」です。天然スレートの屋根、入母屋造の玄関に大振りの千鳥破風を重ねた正面、竿縁天井を円弧状に折り上げた次の間など、意匠に工夫を凝らした点が評価されています。
- 旧堀切家住宅主屋の「主屋」は何と読みますか?
- 文化庁のデータベースは「おもや」、福島市の文化財一覧は「しゅおく」と読んでいます。施設としての旧堀切邸では、単に「主屋」と表記されています。
基本情報
| 名称 | 旧堀切家住宅主屋(きゅうほりきりけじゅうたくおもや) |
|---|---|
| 所在地 | 福島県福島市飯坂町字東滝ノ町16 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 令和2年(2020年)4月3日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、スレート葺、建築面積281㎡ |
| 所有者 | 福島市 |
| 公開状況 | 旧堀切邸として公開(午前9時から午後9時、無休・臨時休館あり、入館無料) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)旧堀切家住宅主屋
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013218
- 福島市 福島市の文化財-【国登録】旧堀切家住宅-
- https://www.city.fukushima.fukushima.jp/soshiki/7/1032/2/1/4/2944.html
- 福島市 旧堀切邸
- https://www.city.fukushima.fukushima.jp/soshiki/5/1019/2/1208.html
- 旧堀切邸 施設案内
- https://kyu-horikiritei.fckk.co.jp/information/
- 旧堀切邸 利用案内
- https://kyu-horikiritei.fckk.co.jp/guide/
最終更新日: 2026.10.02