醸造場の正面を締める奥の松酒造槽場蔵

奥の松酒造槽場蔵は、福島県二本松市亀谷一丁目の奥の松酒造の醸造場に建つ昭和初期の土蔵造2階建の蔵で、平成16年(2004年)7月23日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「おくのまつしゅぞうふなばぐら」。建築面積は144平方メートルある。

槽場(ふなば)は、発酵を終えたもろみを搾って酒と酒粕に分ける場所で、搾りに使う道具を槽(ふね)と呼ぶことからこの名がある。文化庁の解説文によれば、この蔵はもとは仕込蔵だったと伝えられている。

奥の松酒造槽場蔵の構造と街路に向けた妻面

奥の松酒造槽場蔵の規模は桁行10間、梁間4間。切妻造の桟瓦葺で、土蔵造の2階建である。棟を東西に向け、敷地の西側を通る街路に西の妻面を見せて建ち、醸造場の正面の南の端を形づくっている。

東西の両妻面の腰には、石積みに見えるよう目地が切られている。同じ手法は二級蔵南棟の壁にもあり、文化庁の解説文は、この仕上げが街路の景観を整えていると評価する。

奥の松酒造槽場蔵が登録された理由

奥の松酒造槽場蔵は登録番号07-0076の登録有形文化財で、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

醸造場の6棟のうち、通りに対して正面の役を受け持つのがこの槽場蔵である。瓦屋根の土蔵が妻を街路に向け、その腰を石目地で飾ることで、酒蔵の敷地の端が町並みに向けた顔になっている。名前は槽場蔵でも、もとは仕込蔵だったと伝えられており、醸造場の中での役割が移り変わってきたことも名称と伝えの食い違いからうかがえる。

奥の松酒造槽場蔵の見どころと見学

奥の松酒造槽場蔵は西側の街路に妻面を向けて建つので、醸造場の6棟のなかでは一級蔵とともに道路から見やすい。正面に立ったら、妻面の腰に切られた石目地と、瓦を葺いた切妻屋根の輪郭を見比べたい。

内部公開の案内は見当たらない(2026年9月30日確認)。敷地には立ち入らず、道路から眺めることになる。

Q&A

Q奥の松酒造槽場蔵はいつ建てられたのですか?
A文化庁のデータベースでは昭和初期の建築とされています。国の登録有形文化財への登録は平成16年(2004年)7月23日です。
Q奥の松酒造槽場蔵の「槽場」とは何ですか?
A発酵を終えたもろみを搾り、酒と酒粕に分ける場所のことです。この蔵はもとは仕込蔵だったと伝えられています。
Q奥の松酒造槽場蔵はどのような構造ですか?
A桁行10間、梁間4間の土蔵造2階建で、屋根は切妻造の桟瓦葺です。建築面積は144平方メートルです。
Q奥の松酒造槽場蔵の妻面の腰にある模様は何ですか?
A石積みに見せるために切られた目地です。二級蔵南棟と同じ手法で、街路の景観を整えています。
Q奥の松酒造槽場蔵は見学できますか?
A内部公開の案内はありません。西側の街路に妻面を向けて建っているため、外観は道路から見ることができます。

基本情報

名称奥の松酒造槽場蔵(おくのまつしゅぞうふなばぐら)
所在地福島県二本松市亀谷1丁目213
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号07-0076
指定年平成16年(2004年)7月23日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積144平方メートル
所有者文化庁データベースに記載なし(醸造元は奥の松酒造)
公開状況内部公開の案内なし(外観は西側の街路から)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):奥の松酒造槽場蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004200
文化遺産オンライン:奥の松酒造槽場蔵
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/188930

最終更新日: 2026.09.30