楣とは
楣は、窓や出入口などの開口部の上に水平に渡す横材で、「まぐさ」と読む。開口部の上にある壁の荷重を受け、左右の柱や壁に伝える。英語ではリンテルにあたる。
木造の建物では、開口部の上枠として楣を入れ、その上に壁を塗る。土蔵や町家では、楣の下面や見付を虹梁のように曲線に整え、意匠として見せることもある。近い語の鴨居は引戸の上端を受ける溝付きの横材で、建具を受ける役目が中心であり、楣は開口部の上の壁を支える役目が中心になる。長押は柱の外面に打ち付ける化粧材で、開口部の構造を担うものではない。
記録と実物で見分ける手がかり
記録では「楣部を虹梁形に整え」のように、楣の意匠が書かれる。長野県須坂市の塩屋醸造醤油蔵は、土蔵造の平屋建で、街路側に大きな妻を見せ、外壁中央に格子付の大きな窓を開き、その楣部を虹梁形に整えて堂々とした外観を呈する。同じ屋敷の文庫蔵も、戸口の楣部を虹梁形に整え、掛子塗の戸を吊り込む。
現地では、開口部のすぐ上に水平の太い材があるかを見る。蔵では漆喰で塗り込めて形だけを見せていることもあり、曲線に整えた帯が開口部の上に回っていれば、楣を意匠として表したものと考えてよい。
参考文献
- 塩屋醸造醤油蔵|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00006229
- 塩屋醸造文庫蔵|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00006234
最終更新: 2026.09.26