プレートガーダーとは
プレートガーダーは、鋼板を組み合わせてI形の断面につくった桁である。縦に立てた薄い板(腹板)の上下に、横向きの板(フランジ)を取り付け、曲げに強い断面とする。古いものは山形鋼と鋼板を鋲(リベット)で組み立て、のちには溶接でつくられるようになった。日本語では鈑桁とも呼ぶ。
構造が単純で製作しやすいため、鉄道の中小規模の橋に広く用いられた。明治から昭和初期にかけて、鉄道の所管官庁は支間ごとに桁の標準設計を定め、全国の鉄道でこれに沿った桁が使われた。記録に見える「達540号型」「達680号型」などは、こうした標準設計の型式を示す名称とされる。
線路と桁の位置関係によって、上路式と下路式に分かれる。上路式は桁の上面に線路を載せる形式で、桁が線路の下に隠れる。下路式は二本の桁のあいだに線路を通す形式で、桁が線路の両側に立ち上がる。長い支間には、部材を三角形に組んだトラス桁が用いられ、板を組んだプレートガーダーとは外見がはっきり異なる。
記録と実物で読む手がかり
登録有形文化財の記録では、「構造及び形式等」欄に「鋼製8連桁橋、橋長139m」のように、桁の連数と橋長が書かれ、解説で桁の形式が補われる。鳥取県の若桜鉄道の橋梁群の記録は、上路式の鋼製桁橋で、桁の長さや製造会社、標準設計の型式を記している。第二八東川橋梁は、異なる3社が製造した13メートルと6.7メートルの桁からなり、達540号型のプレートガーダーとされる。若桜川橋梁は、達680号型を改造して移した30フィートのプレートガーダーを用いる。フィートで表す桁長は、輸入の設計に由来する寸法とされる。
桁は橋以外にも使われる。若桜駅の機関車転車台の記録は、直径15メートルの転車台がプレートガーダーを用いた上路式で、人力で回転すると書いている。
現地では、桁を横から見て、板状の腹板の上下に縁材が付いた形であればプレートガーダー、斜めの部材が三角形に組まれていればトラスである。腹板に並ぶ鋲の列や、補強のために縦に取り付けた板(補剛材)も、プレートガーダーの見分けの手がかりになる。
参考文献
- 若桜鉄道第一八東川橋梁|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007309
- 若桜鉄道第二八東川橋梁|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007301
- 若桜鉄道若桜川橋梁|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007295
- 若桜鉄道若桜駅機関車転車台|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007292
最終更新: 2026.09.26