来迎柱とは
来迎柱は、仏堂の内陣で須弥壇の後方に立てる一対の柱である。壇の背後を柱で区切り、その奥を後戸などに充てる構成をつくる。
愛知県の祥雲寺本堂は昭和9年の建築で、「境内奥に東面し、桁行15.1メートル梁間14.2メートル、入母屋造桟瓦葺。内部は方丈型六間取形式で正面に広縁を配し、内陣は来迎柱を立てて須弥壇をおき小組格天井を張る」と解説されている。
対になる構成が来迎壁である。同じ愛知県の徳授寺本堂は明治29年の建築で、「内陣は来迎壁を設けて須弥壇をおき、小組格天井を張る」と解説されている。柱を立てるか壁を設けるかで、内陣後方の見え方が変わる。
この2棟は桁行15.1メートル、梁間14.2メートルと寸法がほぼ一致し、方丈型六間取形式という平面も共通している。違いが内陣後方の処理に集約されているため、両者を並べると来迎柱と来迎壁の関係がつかみやすい。
見学するときに
内陣は立ち入りが制限されていることが多く、外陣から奥をのぞく形になる。須弥壇の背後に柱が二本立ち、その間から奥の空間が見通せれば来迎柱の構成、壁で塞がれていれば来迎壁の構成である。
いずれの場合も、須弥壇の上には格式の高い天井が張られることが多い。祥雲寺本堂と徳授寺本堂はどちらも小組格天井を用いている。天井の種類は、内陣の格式を示す情報として記録に残される。
記録に来迎柱とあれば、その堂は柱を立てる構成をとる。案内板や解説文の語をそのまま引くのが確実で、写真だけから柱か壁かを判断するのは避けたい。
参考文献
- 文化庁 文化財の紹介 国宝・重要文化財(建造物)
- https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/kokuho_bunkazai.html
- 国指定文化財等データベース(文化庁)祥雲寺本堂/内陣は来迎柱を立てて須弥壇をおき小組格天井を張る
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009302
- 国指定文化財等データベース(文化庁)徳授寺本堂/内陣は来迎壁を設けて須弥壇をおき、小組格天井を張る
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009292
最終更新: 2026.08.30