厨子とは
厨子は、仏像や経典、舎利などを納めて安置するための、扉の付いた箱形の仏具である。仏堂の内陣や須弥壇の上に置かれ、本尊や秘仏を納めることが多い。屋根や柱、組物をそなえた小さな堂の形につくったものもあり、建築の縮小版として当時の建築様式を伝える資料にもなる。
扉を閉じて像を守り、法会や開帳のときに開いて礼拝する。長く閉じたまま守られる秘仏の厨子もある。大きさは手に持てる小さなものから、人が入れるほどの大型のものまでさまざまで、漆塗や金箔、彩色、金具で飾ったものが多い。
建造物の中の厨子は、建物とは別の工芸品として扱われることもあれば、建物に付属するものとして建物と一緒に指定・登録されることもある。
記録と実物で見分ける手がかり
建造物の記録では、厨子は建物の付属として書かれることが多い。新潟県佐渡市の長谷寺観音堂は、構造欄に「厨子3基付」とあり、解説は内陣後方の各間に厨子を安置すると書く。兵庫県姫路市の円教寺では、金剛堂が附指定として厨子1基を、奥之院が厨子2基を含む。重要文化財の建物に附として指定される場合、厨子は建物とあわせて一つの指定の中に含まれる(附の項を参照)。
記録で「厨子入」とある彫刻は、厨子に納められた像であることを示す。像と厨子が一具として指定されているか、像だけが指定されているかは、名称と員数で確かめたい。
現地では、内陣の奥や須弥壇の上に、扉の付いた箱形または小さな堂の形のものが置かれているかを見る。秘仏を納めた厨子は、扉が閉じられて中が見えないことが多い。
参考文献
- 長谷寺観音堂|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007737
- 円教寺金剛堂|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/2258
- 円教寺奥之院|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/2261
最終更新: 2026.09.26