白牡丹酒造天保蔵井戸とは

白牡丹酒造天保蔵井戸は、広島県東広島市西条本町の天保蔵にある江戸末期(1830〜1868年)の石造の井戸で、平成29年(2017年)6月28日に登録有形文化財となった。天保蔵仕込蔵の北、主屋の背後にあり、天保蔵に残る登録4件のなかでは最も古い。

地表に出ている部分は、切石を積んだ六角形の井戸桁である。一辺は66センチメートル、高さは57センチメートルで、登録上の面積は1.1平方メートル。正面の石には「天保井」の文字が刻まれている。

かつては井戸屋形に覆われていたと伝えられるが、現在は井戸桁だけが残る。屋根付きの石の井戸屋形を今も保つ延宝蔵の井戸とは、この点で姿が異なる。

白牡丹酒造天保蔵井戸が登録された理由

登録基準は「造形の規範となっているもの」で、登録番号は34-0240である。白牡丹酒造の8件のうち、この基準で登録されたのは天保蔵井戸と天保蔵精米所の2件にとどまる。文化庁の解説は、この井戸を酒造業を象徴する施設と位置づけている。

評価の要は、切石を六角形に組んだ井戸桁の端正さと、年号を刻んだ銘にある。「天保井」の「天保」は1830年から1844年までの元号で、登録上の年代である江戸末期と重なる。白牡丹酒造が鷹司家から酒銘を賜ったのも天保10年(1839年)で、同じ元号の時代にあたる。

白牡丹酒造は、龍王山の伏流水が蔵の井戸から湧き、洗米から割水まですべての工程に井戸水を使うと公式サイトで説明している。白牡丹酒造天保蔵井戸は、酒蔵が井戸をどれほど重んじてきたかを、刻銘入りの石組みで示す設備でもある。

見どころ

白牡丹酒造天保蔵井戸でまず探したいのは、正面の「天保井」の刻銘である。井戸の名と元号を一度に示す文字で、造られた時代の手がかりが石そのものに残っている。

井戸桁の高さは57センチメートルで、地面から膝の上ほどの位置に縁が来る。六角形の各辺が66センチメートルなので、正六角形として計算すると角から角まではおよそ1.3メートルになる。延宝蔵の井戸桁(一辺97センチメートル)と比べると、ひとまわり小さい。

井戸屋形が失われているため、切石の井戸桁の形がそのまま見える。延宝蔵では石の屋形が井戸を包んでいるのに対し、天保蔵では六つの面の石積みそのものが造形の主役になっている。

見学方法

白牡丹酒造天保蔵井戸は、天保蔵仕込蔵の北、主屋の背後という敷地の内側にある。公式サイトの見学案内は本社展示室を対象としており、この井戸は含まれていない。井戸の前まで行くことはできないと考えておきたい。

敷地の外から見えるかどうかは現地の状況による。敷地に立ち入ったり、井戸に触れたりしないようにしたい。

白牡丹酒造の井戸水は、本社の前で「冥加の井水」として飲むことができる。本社展示室の開館日や西条駅からの道順は、白牡丹酒造のグループページにまとめてある。

よくある質問

Q白牡丹酒造天保蔵井戸は見学できますか?
A公式サイトの見学案内には含まれていません。井戸は主屋の背後にあり、近づくことはできないと考えてください。
Q白牡丹酒造天保蔵井戸はいつのものですか?
A江戸末期(1830〜1868年)の井戸で、天保蔵の登録4件のなかで最も古いものです。
Q白牡丹酒造天保蔵井戸の「天保井」とは何ですか?
A井戸桁の正面に刻まれた銘です。天保は1830年から1844年までの元号です。
Q白牡丹酒造天保蔵井戸の大きさはどれくらいですか?
A切石積みの六角形の井戸桁で、一辺66センチメートル、高さ57センチメートルです。登録上の面積は1.1平方メートルです。
Q白牡丹酒造天保蔵井戸はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成29年(2017年)6月28日に「造形の規範となっているもの」として登録されました。登録番号は34-0240です。

基本データ

名称白牡丹酒造天保蔵井戸
所在地広島県東広島市西条本町879
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年2017年(平成29年)6月28日登録
員数1基
寸法石造、面積1.1平方メートル(井戸桁の一辺66センチメートル、高さ57センチメートル)
所有者白牡丹酒造株式会社
公開状況見学案内の対象外(本社展示室は公開)

参考文献

国指定文化財等データベース 白牡丹酒造天保蔵井戸(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011829
白牡丹酒造天保蔵井戸(文化遺産オンライン)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/256465
国指定文化財等データベース 白牡丹酒造延宝蔵井戸(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011825
酒造りへの思い(白牡丹酒造)
https://www.hakubotan.co.jp/make/
酒銘の由来(白牡丹酒造)
https://www.hakubotan.co.jp/origin/
蔵めぐり・見学(白牡丹酒造)
https://www.hakubotan.co.jp/sakagura/

最終更新日: 2026.09.16