大藤家住宅釜場とは
大藤家住宅釜場(おおとうけじゅうたくかまば)は、広島県東広島市高屋町白市にある昭和4年(1929年)ごろの酒造用の作業棟で、令和7年(2025年)3月13日に登録有形文化財となった。木造平屋建の瓦葺で、建築面積は93平方メートルある。
主屋の北西、かつて酒蔵が並んでいた区域に残る。所在地は白市1058-2で、主屋などの1055とは地番が分かれている。大藤家は焼酎とみりんを造った家で、この釜場は住まいではなく、生産の現場そのものだった。
酒造業の様子を伝える作業棟
大藤家住宅釜場は登録番号34-0319、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録有形文化財に登録された。文化庁の解説は、醸造用の半地下の釜場などを残し、酒造業の様相を伝える建物だと評価している。
大藤家住宅の4棟のうち、主屋と離座敷は暮らしと接客の棟、土蔵は家財を納める蔵である。家業の中身を建物として見せているのは、この釜場だけになる。
酒粕切場・釜場・薪置場と洋小屋
建物は切妻造・平入の桟瓦葺で、棟を東西に通した細長い平屋である。南面の東寄りは壁を立てない吹放ちとしている。
内部は東の端から酒粕切場、釜場、薪置場などが順に並び、床はどれも土間である。粕を切る場、火を使う釜、燃料の薪が一列に並ぶ配置で、作業の順序に沿った並びと読める。
醸造に使った釜場は床面より低い半地下につくられ、今も残っている。
見上げると、小屋組はキングポストトラスである。中央の真束を三角形の骨組みで支える洋式の小屋組で、土間の上に途中の柱を立てずに屋根を架け渡せる。土間で作業を続ける棟に向いた構造であり、昭和初期の酒造家が作業場に洋風の架構を取り入れていたことが分かる。
大藤家住宅釜場の見学
大藤家住宅釜場の内部はふだん公開されていない。半地下の釜場やトラスの小屋組を見られるのは、地域の催しで内部が公開されるときに限られる。
内部に入る機会があれば、足元に気をつけたい。床はすべて土間で、釜場は半地下になっている。撮影の可否はその催しの主催者の案内に従いたい。
Q&A
- 大藤家住宅釜場とはどのような建物ですか?
- 焼酎とみりんを造っていた大藤家の作業棟です。昭和4年(1929年)ごろの木造平屋建で、内部に酒粕切場・釜場・薪置場などが並びます。
- 大藤家住宅釜場はなぜ登録有形文化財になったのですか?
- 令和7年(2025年)3月13日に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録されました。醸造用の半地下の釜場などが残り、酒造業の様子を伝える点が評価されています。
- 大藤家住宅釜場の小屋組はどのような構造ですか?
- 洋式のキングポストトラスで、土間の上に現しになっています。途中に柱を立てずに屋根を架けられる構造です。
- 大藤家住宅釜場は屋敷のどこにありますか?
- 主屋の北西、かつて酒蔵があった区域にあります。所在地の地番は白市1058-2です。
- 大藤家住宅釜場の内部は見学できますか?
- ふだんは非公開です。地域の催しで内部が公開されることがあります。床は土間で半地下の部分もあるため、足元に注意してください。
基本情報
| 名称 | 大藤家住宅釜場(おおとうけじゅうたくかまば) |
|---|---|
| 所在地 | 広島県東広島市高屋町白市1058-2 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物)、登録番号34-0319 |
| 指定年 | 令和7年(2025年)3月13日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、瓦葺、建築面積93平方メートル |
| 所有者 | 合同会社アンティーク不動産 |
| 公開状況 | 通常非公開(催しの際に公開されることがある) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 大藤家住宅釜場(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00015380
- 登録有形文化財 大藤家住宅主屋、他3件(東広島市)
- https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/soshiki/kyoikuiinkaishogaigakushu/3/11/bunkazai/town/takaya/42990.html
- 高屋町白市の町家2か所が国の有形文化財に登録されました(東広島市)
- https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/soshiki/kyoikuiinkaishogaigakushu/3/16/1/41583.html
最終更新日: 2026.09.27