遠藤家住宅南石蔵とは

遠藤家住宅南石蔵は、北海道札幌市中央区南6条西5丁目18にある大正8年(1919年)頃の石造平屋建の蔵で、平成26年(2014年)10月7日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「えんどうけじゅうたくみなみいしくら」。

遠藤家住宅南石蔵は敷地の東の辺の南寄りに建ち、建築面積は18平方メートル。屋根は鉄板葺で、南側にコンクリート造の地下室が付く。遠藤家住宅の6件のうち、建築面積がもっとも小さい建物である。

遠藤家住宅南石蔵が登録された理由

遠藤家住宅南石蔵の登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。小さな蔵ながら、文化庁は敷地のなかの眺めを引き締める存在として評価している。

敷地の東側には、同じ形式の北石蔵がもう1棟ある。2棟の石蔵がともに東の石塀を壁として使い、塀と建物が一体になった構えをつくっている。

石塀を外壁にした片流れの蔵

遠藤家住宅南石蔵の壁は、札幌軟石を目地が水平に通るように積む布積で、入口は棟と平行する長い側に設けた平入である。東側には独自の壁を立てず、敷地の東を区切る石塀をそのまま外壁にしている。

屋根は一方向にだけ傾く片流れである。石塀の内側には石の持送りが突き出しており、垂木の端を受ける横材(垂木掛)をこの持送りが支える。塀に屋根を掛けるための受け材を、木ではなく石で作り出しているところに、この蔵の工夫が見える。両側の妻壁には窓を開けている。

ムロとして使われた地下室

遠藤家住宅南石蔵の南側には、コンクリート造の地下室が付属する。文化庁の解説によれば、この地下室はムロとして使われていた。北海道では一般に、冬のあいだ野菜などが凍らないよう蓄えておく地下や半地下の貯蔵庫をムロ(室)と呼ぶ。地中は外気より温度の変化が小さく、寒さの厳しい土地では重宝された。

石の蔵の脇に地下の貯蔵庫を添えた構成は、雪国の都市の屋敷の暮らしぶりを伝えている。

遠藤家住宅南石蔵の見学

遠藤家住宅南石蔵の内部と地下室は公開されていない。蔵の東面は敷地の石塀そのものなので、東の外から見ると、遠藤家住宅南石蔵は塀の一部としてしか目に入らない。持送りや妻壁の窓は塀の内側にあり、外からは確かめにくいと考えておきたい。

撮影の可否について公式の案内は見つからなかった(2026年10月確認)。

Q&A

Q遠藤家住宅南石蔵はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは大正8年(1919年)頃とされています。
Q遠藤家住宅南石蔵はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A敷地内の景観を引き締める蔵として、国土の歴史的景観に寄与していると評価され、平成26年(2014年)に登録されました。
Q遠藤家住宅南石蔵は何でできていますか?
A札幌軟石を布積にした石造で、東側は敷地の石塀をそのまま外壁にしています。屋根は鉄板葺の片流れです。
Q遠藤家住宅南石蔵の地下室は何に使われていましたか?
A南側に付くコンクリート造の地下室は、ムロ(貯蔵庫)として使われていました。
Q遠藤家住宅南石蔵は外から見えますか?
A東面が敷地の石塀を兼ねているため、外からは塀の一部として見える程度です。内部と地下室は公開されていません。

基本情報

名称遠藤家住宅南石蔵(えんどうけじゅうたくみなみいしくら)
所在地北海道札幌市中央区南6条西5-18他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)登録
員数1棟
寸法建築面積18㎡(石造平屋建、地下室付)
所有者非公表
公開状況非公開(敷地外から外観のみ)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)遠藤家住宅南石蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010090
文化遺産オンライン 遠藤家住宅南石蔵
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/276843
札幌市 さっぽろの文化財 遠藤家住宅(主屋・蔵・南石蔵・北石蔵・表門・塀)
https://www.city.sapporo.jp/shimin/bunkazai/pdf/documents/p56_endoke_ol.pdf

最終更新日: 2026.10.01