高龍寺防火塀とは

高龍寺防火塀は、北海道函館市船見町の高龍寺の境内を囲む煉瓦造の塀で、明治43年(1910年)に築かれ、平成24年(2012年)に国の登録有形文化財に登録された。境内の東面と、北面の西寄りを区切っており、延焼を防ぐために設けられた。

煉瓦造、瓦葺で、総延長は154メートル。文化庁の解説によると、北面西側の塀は延長約104メートル、高さ約3メートルでフランス積とし、東面の塀は延長約50メートル、高さ約7メートルでイギリス積とする。寺の案内では、煉瓦の厚さは60センチに及ぶ。

高龍寺防火塀の価値 大火の町の記憶

函館は明治から昭和初期にかけて大火を繰り返した町である。高龍寺自身も移転前に何度も堂宇を焼き、現在地へ移ってからも火災に見舞われた。文化庁の解説は、高龍寺防火塀を、大火が頻発した近代函館を象徴する遺構と位置づけている。

東面の塀は高さ約7メートルに達し、隣地との境を高い壁で仕切っている。厚さ60センチの煉瓦の壁に瓦の屋根を載せた姿は、木造の堂宇を火から守るという目的をそのまま形にしたものである。

築造の時期には異説もある。文化庁のデータベースは明治43年(1910年)とするが、函館市の観光案内は、北面奥の塀に明治40年(1907年)の大火のものとみられる焼け焦げが残ることから、それ以前に造られた可能性を指摘している。函館市の景観資料も、墓地側の煉瓦塀は袖塀より前の時代のものといわれると記す。

高龍寺防火塀の見どころ 2種類の煉瓦の積み方

高龍寺防火塀でまず確かめたいのは、煉瓦の積み方の違いである。北面西側の塀はフランス積で、同じ段に煉瓦の長い面と短い面が交互に並ぶ。東面の塀はイギリス積で、長い面だけの段と短い面だけの段が一段おきに重なる。

函館市の観光案内は、一般にフランス積のほうが古い時代の積み方とされることにも触れている。2つの塀を見比べると、段ごとの模様の違いがはっきり分かる。

北面奥の塀では、煉瓦の表面に黒ずんだ焦げ跡を探してみたい。函館市の観光案内が明治40年の大火の跡らしいとする部分である。東面の塀は、境内の外の坂道から見上げるとその高さが実感できる。

高龍寺防火塀の見学方法

高龍寺防火塀は、境内の内側からも外の道路からも見られる。東面の高い塀は境内の外の坂道側から、北面西側の塀は寺町通りに沿って西へ歩くと、それぞれ全体をつかみやすい。

塀の外側は道路や隣地に接しているため、見学は公道から行い、私有地に立ち入らないこと。煉瓦は古く、表面がもろくなっている部分もあるので、触れたり寄りかかったりしないようにしたい。境内への行き方と拝観時間は高龍寺のページにまとめてある。

Q&A

Q高龍寺防火塀はなぜ造られたのですか?
A大火が頻発した函館で、境内への延焼を防ぐために設けられました。文化庁の解説は、近代函館の大火を象徴する遺構としています。
Q高龍寺防火塀の高さと長さはどのくらいですか?
A総延長154メートルで、東面の塀は延長約50メートル、高さ約7メートル、北面西側の塀は延長約104メートル、高さ約3メートルです。
Q高龍寺防火塀の煉瓦の積み方は何ですか?
A北面西側の塀がフランス積、東面の塀がイギリス積で、場所によって積み方が異なります。
Q高龍寺防火塀はいつ造られましたか?
A文化庁のデータベースでは明治43年(1910年)です。ただし北面奥の塀には明治40年(1907年)の大火の跡とみられる焦げがあり、それ以前に造られた可能性も指摘されています。
Q高龍寺防火塀はどこから見られますか?
A境内の内側のほか、外の道路からも見られます。東面の高い塀は境内の外の坂道側から見上げると高さがよく分かります。

基本情報

名称高龍寺防火塀
所在地北海道函館市船見町21-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成24年(2012年)登録
員数1棟
寸法総延長154メートル(東面 延長約50メートル・高さ約7メートル、北面西側 延長約104メートル・高さ約3メートル)
所有者宗教法人高龍寺
公開状況境内および周囲の道路から見学自由

参考文献

国指定文化財等データベース「高龍寺防火塀」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009104
文化遺産オンライン「高龍寺防火塀」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/176747
景観形成指定建築物等一覧(函館市)
https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014021000244/
船見町 境内さんぽ(国華山 高龍寺 公式サイト)
https://www.kokkasan.org/halls
和の伝統建築の華、高龍寺のご案内(函館市公式観光情報 はこぶら)
https://www.hakobura.jp/features/107

最終更新日: 2026.10.02