高龍寺本堂とは

高龍寺本堂は、北海道函館市船見町にある曹洞宗の寺院・高龍寺の本堂で、明治32年(1899年)に建てられ、平成24年(2012年)に国の登録有形文化財に登録された。境内のいちばん奥に北を向いて建ち、山門をくぐると正面に大屋根が見える。

木造平屋建、瓦葺で、建築面積は526平方メートル。規模は桁行9間、梁間8間で、入母屋造の屋根を桟瓦葺とし、正面に向拝を付ける。周囲には下屋と縁を廻らし、東西には回廊が付属する。本尊は釈迦如来で、内陣の須弥壇に釈迦三尊を祀る。

建築年については資料によって幅がある。文化庁のデータベースは明治32年(1899年)とし、寺の案内は明治27年(1894年)に起工して明治33年(1900年)に完成したと記す。函館市の景観資料も竣工を明治33年としている。工事が数年にわたったため、どの時点を完成とみるかで年が分かれていると考えられる。

高龍寺本堂が登録有形文化財となった理由

高龍寺本堂の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、9室で構成された堂内の軸部が太く雄大であること、棟梁の篠田宗吉以下、越後の工匠が関わったことを挙げ、大規模で装飾性に富む近代の曹洞宗本堂と評価している。

寺によると、高龍寺本堂には直径1尺4寸(約42センチ)のケヤキの丸柱が39本使われている。函館の観光案内は、篠田宗吉を4代目とし、越後柏崎の大工や彫刻師、鋳物師が建材を越後から運んで建てたと紹介する。柱の太さは、堂内に入るとまず目に付く。

完成から間もない明治40年(1907年)の大火で、函館の市街は広く焼けた。高龍寺本堂はこの火災を免れ、移転後の伽藍の中心として今に残る。その後、昭和61年(1986年)、平成8年(1996年)、平成11年(1999年)に改修され、昭和63年(1988年)には増築も行われている。

高龍寺本堂の見どころ

外から見るなら、屋根の重なりに注目したい。大きな入母屋屋根の下に、正面から側面にかけて裳階のような庇がもう一段廻り、二層の屋根に見える。函館市の資料もこの庇を裳階と呼んでいる。正面の向拝には細かな彫刻が施され、山門の彫刻と見比べると、同じ越後の系統でも本堂のほうが落ち着いた構成であることが分かる。

堂内に入ると印象が変わる。太いケヤキの柱と梁が空間を区切り、その奥にきらびやかな須弥壇が見える。堂内は9室に分かれ、柱の列を数えながら奥へ進むと、外観から想像する以上の奥行きがある。

東西の回廊は、開山堂や庫裏など周りの建物と本堂をつなぐ。冬には本堂に雪囲いが施され、北国の寺らしい姿を見せる。

高龍寺本堂の見学方法

高龍寺本堂の外観は、境内に入ればいつでも眺められる。正面全体を収めるなら、山門を入ってすぐの位置から見るのがよい。堂内の拝観を希望する場合は、庫裏の受処に申し出ると、廊下を通って本堂へ案内される。法要の最中は堂内に入れないことがある。

本堂の一室「親禅の間」は、坐禅の場として誰でも自由に座れるように開放されている。御朱印は本堂に参拝してから授けられる。堂内での撮影の可否は案内に明記がないため、受処で確かめたい。境内への行き方と拝観時間は高龍寺のページにまとめてある。

Q&A

Q高龍寺本堂はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは明治32年(1899年)です。寺の案内は明治27年(1894年)起工、明治33年(1900年)完成としており、資料によって1年ほどの差があります。
Q高龍寺本堂の中は見学できますか?
A庫裏の受処に申し出ると、堂内を拝観できます。寺の案内では参拝時間は午前9時から午後4時までで、拝観料はかかりません。法要中は入れない場合があります。
Q高龍寺本堂はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A越後の工匠による大規模で装飾性に富む近代の曹洞宗本堂であり、国土の歴史的景観に寄与していると評価されたためです。平成24年(2012年)に登録されました。
Q高龍寺本堂にはどんな木材が使われていますか?
A寺によると、直径約42センチのケヤキの丸柱39本が使われており、総ケヤキ造りとされています。
Q高龍寺本堂で坐禅はできますか?
A本堂の「親禅の間」が誰でも座れる坐禅の場として開放されています。指導付きの坐禅会は別の法務所で開かれるため、内容は寺の案内で確かめてください。

基本情報

名称高龍寺本堂
所在地北海道函館市船見町21-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成24年(2012年)登録
員数1棟
寸法建築面積526平方メートル、桁行9間・梁間8間
所有者宗教法人高龍寺
公開状況外観は境内から見学自由。堂内は受処に申し出て拝観(午前9時〜午後4時、拝観無料)

参考文献

国指定文化財等データベース「高龍寺本堂」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009101
文化遺産オンライン「高龍寺本堂」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/176544
景観形成指定建築物等一覧(函館市)
https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014021000244/
船見町 境内さんぽ(国華山 高龍寺 公式サイト)
https://www.kokkasan.org/halls
和の伝統建築の華、高龍寺のご案内(函館市公式観光情報 はこぶら)
https://www.hakobura.jp/features/107

最終更新日: 2026.10.02