4室を一列に並べた大正の便所

北条鉄道法華口駅便所は、兵庫県加西市東笠原町の法華口駅構内にある大正4年(1915年)建築の木造平屋建の便所で、平成26年(2014年)4月25日に国の登録有形文化財に登録された。

建っているのは駅舎(本屋)の東側で、西を正面にして、駅舎の側を向いている。文化庁は、本屋と一連で建てられた大正初期の鉄道建築としてこの便所を評価し、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録した(登録番号28-0590)。

1メートル四方の部屋が4つ

文化庁の解説によると、北条鉄道法華口駅便所は1メートル四方の部屋を一列に4室連ねた建物である。建築面積は4.0平方メートルで、登録された北条鉄道の4件のなかでいちばん小さい。屋根は桟瓦葺で、棟を中心から片側へずらし、一方の屋根を長く伸ばした招屋根(文化庁の表記では招造)とする。

西面では、柱から突き出した腕木で軒の桁を受けている。反対の東の壁には、上のほうに窓を横一列に連ねた連続窓を設けている。どちらも目立たない細部だが、4室を並べただけの小さな建物に表情を与えている部分である。

駅のトイレとしては、近畿運輸局の資料によると平成24年(2012年)1月に新しいものが設けられた。登録された北条鉄道法華口駅便所が現在どのように使われているかは、公表資料では確かめられなかった。

見どころ

見るべきは屋根の形である。駅舎の側から眺めると、片流れに近い長い屋根面と、腕木が支える軒先がよくわかる。東側へ回ることができれば、壁の上部に並ぶ連続窓も確かめたい。

文化庁が本屋と一連で建てられたと記すとおり、駅舎と便所は同じ大正4年に整えられた駅の設備である。北条鉄道法華口駅便所は、開業時の駅の設備がひと揃いで残っている例として、本屋及びプラットホームと組みで見たい。

見学の方法

北条鉄道法華口駅便所は駅構内にあり、外観は駅を利用するときに見られる。内部の公開や利用の可否は、公表資料からは分からない。見学料はかからない。

営業中の駅の施設なので、構内では列車の運行と利用客の妨げにならないよう心がけたい。

Q&A

Q北条鉄道法華口駅便所はいつ建てられましたか。
A文化庁の記録では大正4年(1915年)の建築で、駅舎と一連で建てられました。登録は平成26年(2014年)4月25日です。
Q北条鉄道法華口駅便所はどのくらいの大きさですか。
A1メートル四方の部屋を一列に4室並べた木造平屋建で、建築面積は4.0平方メートルです。
Q北条鉄道法華口駅便所の屋根の特徴は。
A桟瓦葺の招屋根で、片側の屋根面を長く伸ばしています。西面は腕木で軒の桁を受けています。
Q北条鉄道法華口駅便所は今もトイレとして使えますか。
A法華口駅には平成24年(2012年)1月に新しいトイレが設けられています。登録された便所の現在の使われ方は公表資料では確認できません。
Q北条鉄道法華口駅便所はどこにありますか。
A法華口駅の駅舎の東側に、西を向いて建っています。

基本情報

名称北条鉄道法華口駅便所
所在地兵庫県加西市東笠原町字沖245-2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)4月25日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積4.0平方メートル
所有者北条鉄道株式会社
公開状況駅構内にあり外観を見学できる。内部の公開は未確認

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース 北条鉄道法華口駅便所
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010025
加西市 広報かさい 2013年12月号(北条鉄道の木造駅舎が国登録有形文化財に)
https://www.city.kasai.hyogo.jp/uploaded/attachment/6157.pdf
国土交通省近畿運輸局 北条鉄道株式会社 再生の取り組み(2015年12月11日)
https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000010178.pdf

最終更新日: 2026.10.08