開業時の造作を残す長(おさ)の駅舎

北条鉄道長駅本屋及びプラットホームは、兵庫県加西市西長町にある大正4年(1915年)建築の木造駅舎と石積のプラットホームで、平成26年(2014年)4月25日に国の登録有形文化財に登録された。

駅名の「長」は「おさ」と読む。長駅は粟生から9.8キロメートル、終点の北条町駅からは3.8キロメートルの位置にある。北条鉄道によると、長駅は大正4年(1915年)3月3日に開業し、2015年3月3日に開業100年を迎えた。かつては付近で採れた「長石」の出荷駅として使われていたという。

駅務室・出札口・荷物扱口

文化庁の記録によると、北条鉄道長駅本屋は桁行5間、梁間2間半の木造平屋建で、屋根は切妻造、長い側を正面とする平入とする。北面には幅2間の旅客用上屋を張り出す。屋根は瓦葺及びスレート葺、建築面積は60平方メートルである。

文化庁がとくに評価しているのは内部である。駅務室の奥にある4畳半の休憩室、切符を売った出札口、手荷物を受け渡した荷物扱口の造作が残り、駅員が詰めていたころの駅の姿をよく伝えている。登録された3駅のうち、文化庁の解説が内部の造作にまで触れているのは長駅だけである。

プラットホームは石造で、延長77メートル。登録された3駅のなかでもっとも長い。文化庁は本屋とホームを合わせて「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録した(登録番号28-0592)。

見どころ

待合室に入ったら、出札口と荷物扱口がどこに開いているかを探してみたい。切符と手荷物を別々の口で扱っていた時代の駅の仕事が、その配置に表れている。

ホームへ出たら、北側に張り出した幅2間の上屋と、77メートル続く石積の側面を見ておきたい。

北条鉄道は、長駅から粟生駅までの「長寿切符」(510円)を記念切符として出している。「長」と粟「生」で「長生き」と読ませる記念の切符で、開業以来の姿を保つ長駅の長寿にちなむ。

見学の方法

北条鉄道長駅本屋及びプラットホームは営業中の駅で、列車を利用するときに待合室とホームに入れる。駅務室や休憩室は駅の業務用の部屋で、公開の案内は見当たらない。北条鉄道の駅紹介によると、駅前に無料の駐車場があり、段差はないがスロープは設けられていない。

長駅には平成25年(2013年)9月に水洗の洋式トイレが新設されている(加西市広報)。ホームでの撮影は、列車と利用客の妨げにならない範囲で行いたい。

Q&A

Q北条鉄道長駅の「長」は何と読みますか。
A「おさ」と読みます。文化庁の記録でも、ふりがなは「ほうじょうてつどうおさえき」です。
Q北条鉄道長駅本屋はいつ建てられましたか。
A文化庁の記録では大正4年(1915年)の建築です。北条鉄道によると駅は大正4年3月3日に開業しました。登録は平成26年(2014年)4月25日です。
Q北条鉄道長駅本屋の見どころは。
A駅務室奥の4畳半の休憩室、出札口、荷物扱口の造作など、駅員がいたころの内部がよく残っている点です。
Q長駅のプラットホームの長さは。
A石造で延長77メートルです。登録された3駅のなかでもっとも長いホームです。
Q北条鉄道長駅本屋及びプラットホームは見学できますか。
A営業中の駅なので、列車を利用するときに待合室とホームに入れます。駅務室などの業務用の部屋について公開の案内はありません。

基本情報

名称北条鉄道長駅本屋及びプラットホーム
所在地兵庫県加西市西長町字天田321-2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)4月25日登録
員数1棟
寸法本屋:木造平屋建、瓦葺及びスレート葺、建築面積60平方メートル/プラットホーム:石造、延長77メートル
所有者北条鉄道株式会社
公開状況営業中の駅。列車の利用時に待合室とホームに入れる

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース 北条鉄道長駅本屋及びプラットホーム
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010027
加西市 広報かさい 2013年12月号(北条鉄道の木造駅舎が国登録有形文化財に)
https://www.city.kasai.hyogo.jp/uploaded/attachment/6157.pdf
加西市 広報かさい 2015年3月号(北条鉄道開業30年・播州鉄道開通100年)
https://www.city.kasai.hyogo.jp/uploaded/attachment/6350.pdf

最終更新日: 2026.10.08