一乗寺三重塔とは:兵庫県最古の塔婆

一乗寺三重塔は、兵庫県加西市坂本町の一乗寺にある承安元年(1171年)の三重塔で、明治34年(1901年)に旧国宝に指定され、昭和27年(1952年)に国宝に指定された。

文化庁の記録によると、一乗寺三重塔は三間三重塔婆、本瓦葺である。加西市によると、相輪の伏鉢に承安元年(1171年)の刻銘があり、勧進の隆西と、当時の住持とみられる仁西の名も記されている。兵庫県内に現存する最古の塔婆である。

指定の理由:平安末期の建立年が分かる唯一の塔

加西市によると、一乗寺三重塔は各重とも方三間で、上の重ほど平面の逓減が大きく、軒の高さの差や軒の出は上ほど小さくなり、古い塔の姿をよくとどめている。相輪も上代の伝統を濃く残し、高さは塔全体の3分の1を占める。

一方で、垂木を六支掛とすること、縁を構えること、心柱を初重の天井裏から立てることなど、中世の塔の先駆けとなる新しい手法も多い。特に珍しいのは、三重の屋根にむくりをつけていることと、各層の屋根に稚児棟がないことである。

加西市は、一乗寺三重塔を平安時代末期の建立年が明らかな唯一の塔として、また当時の技法を研究するうえできわめて貴重な遺構だと評価している。

一乗寺三重塔の見どころ:屋根のむくりと大きな相輪

一乗寺三重塔を下から見上げると、上の重ほど小さくなる平面と、塔全体の3分の1を占める相輪がつくる、どっしりとした姿が分かる。屋根面がわずかに膨らむむくりにも注目したい。

加西市によると、丹塗りは剥落し、一部に後の補修の跡も見られる。境内で間近に見上げることができる。

一乗寺三重塔の見学について

一乗寺の拝観時間は午前8時から午後5時、拝観料は500円(西国三十三所札所会による)。交通と宝物館の予約方法は、一乗寺のページにまとめてある。

Q&A

Q一乗寺三重塔はいつ建てられましたか?
A相輪の伏鉢の刻銘から、承安元年(1171年)の建立と分かります。
Q一乗寺三重塔はいつ国宝になりましたか?
A明治34年(1901年)に旧国宝に指定され、昭和27年(1952年)に国宝に指定されました。
Q一乗寺三重塔が貴重とされるのはなぜですか?
A兵庫県内に現存する最古の塔で、平安時代末期の建立年が明らかな唯一の塔とされるためです。
Q一乗寺三重塔の珍しい特徴は?
A屋根にむくりがあることと、各層の屋根に稚児棟がないことです。
Q一乗寺三重塔の拝観料は?
A一乗寺の拝観料は500円で、拝観時間は午前8時から午後5時です。

基本情報

名称一乗寺三重塔(いちじょうじさんじゅうのとう)
所在地兵庫県加西市坂本町821-17
指定区分国宝(建造物)
指定年昭和27年(1952年)3月29日国宝指定(明治34年(1901年)3月27日旧国宝指定)
員数1基
寸法三間三重塔婆、本瓦葺
所有者一乗寺
公開状況境内で拝観可(午前8時から午後5時、500円)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「一乗寺三重塔」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2388
加西市「国宝 一乗寺三重塔」
https://www.city.kasai.hyogo.jp/soshiki/34/1685.html
西国三十三所札所会「第二十六番 一乗寺」
https://saikoku33.gr.jp/place/26

最終更新日: 2026.09.27