1基の石橋 ― 2013年に登録有形文化財
西宮神社嘉永橋は、兵庫県西宮市社家町11にある江戸時代の建造物で、2013年(平成25年)3月29日に登録有形文化財(建造物)となった。指定された文化財ではなく、登録された文化財である。
員数は1基である。ふりがなの欄は、にしのみやじんじゃかえいばしである。所有は宗教法人西宮神社である。
構造は石造桁橋、橋長6.0メートル、幅員1.8メートル、袖高欄付とされる。年代の欄は江戸、西暦は1848年である。
橋長が6.0メートルである
橋としては、きわめて短い。
構造の欄は、橋長6.0メートル、幅員1.8メートルとする。
若戸大橋は橋長627.3メートル、旧筑後川橋梁(筑後川昇開橋)は507.2メートルであった。いずれも海や川を渡す橋である。
本件は6.0メートルで、若戸大橋の100分の1にあたる。同じ橋という種別のなかで、これほど開きがある。
春日神社申殿は建築面積12平方メートルで、これまで扱ったなかで最も小さい建物だった。本件は最も短い橋になる。
渡す先も違う。若戸大橋は洞海湾、旧筑後川橋梁は筑後川である。本件は、神池の西側中央に架かり、とされる境内の池である。
石の産地が、記録に明記される
どこの石を使ったかが書かれている。
文化庁は、六甲山産の花崗岩(御影石)が用いられる、と記す。
山の名を挙げ、括弧で石の通り名も添えている。
角屋家貿易関係資料では、航海図が羊皮紙著色とされ、材料そのものが海外のものだった。あちらは材料の種類である。
本件は種類に加えて産地まで示される。九重塔は石造九重塔(相輪を欠く)とあるだけで、石の産地には触れられていない。
旧集成館機械工場も石造だが、産地の記載はない。産地が書かれるのはめずらしい。
評価が、境内で最も古いことである
選ばれた理由が、限られた範囲のなかでの最古に置かれている。
文化庁は、境内に残る最も古い橋で、神社の歴史的景観に寄与する、と結ぶ。
日本で最も古いのではなく、この神社の境内で最も古い、という書き方である。
鳴無神社では、文化財の少い地方において、と地域を限ったうえで評価されていた。あちらは県や地方という広さである。
本件は一つの神社の境内という、さらに狭い範囲になる。行形亭土蔵では、親しまれていることが理由だった。
神社の歴史的景観に寄与する、という後半は、登録基準の国土の歴史的景観に寄与しているものに沿う。同じ神社には西宮神社瑞寶橋も登録されており、境内に登録された橋が二つある。
参拝
所在は兵庫県西宮市社家町11で、所有は宗教法人西宮神社である。
位置も細かく記される。神池の西側中央に架かり、松尾神社の参道上に位置する、とされる。
境内社である松尾神社へ向かう道の上に架かる橋になる。
作りについては、通行用の桁橋で、敷石の上には石製の欄干を備える、とある。桁橋は水平な桁を渡す形式で、袖高欄は橋の端に設ける低い欄干をいう。
関連作品には、蟻通神社太鼓橋、行者橋、桃島橋、王橋、無垢橋、大虫神社宮橋、愛宕橋、釣地橋、長尾八幡宮御幸橋、上の島神明神社太鼓橋、辨天橋が並ぶ。橋ばかりが挙がる。神社の境内であり、参拝については神社の定めによる。訪問前に確認したい。
Q&A
- 西宮神社嘉永橋はいつ登録されましたか。
- 2013年(平成25年)3月29日に登録有形文化財(建造物)となりました。指定ではなく登録で、員数は1基です。
- どのくらいの大きさですか。
- 橋長6.0メートル、幅員1.8メートルです。若戸大橋の627.3メートルと比べると、100分の1ほどになります。
- 何でできていますか。
- 文化庁は「六甲山産の花崗岩(御影石)が用いられる」と、産地まで記します。石造の桁橋で、敷石の上に石製の欄干を備えます。
- 何が評価されているのですか。
- 文化庁は「境内に残る最も古い橋で、神社の歴史的景観に寄与する」と記します。日本で最も古いのではなく、この境内で最も古いという評価です。
- どこに架かっていますか。
- 文化庁は「神池の西側中央に架かり、松尾神社の参道上に位置する」と記します。境内社へ向かう道の上に架かる橋です。
基本情報
| 名称 | 西宮神社嘉永橋(にしのみやじんじゃかえいばし) |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県西宮市社家町11 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物・宗教建築)/指定ではなく登録/同じ境内に瑞寶橋も登録 |
| 指定年 | 2013年(平成25年)3月29日 登録 |
| 員数 | 1基 |
| 寸法 | 石造桁橋、橋長6.0メートル、幅員1.8メートル、袖高欄付。六甲山産の花崗岩が用いられ、敷石の上に石製の欄干を備える。神池の西側中央に架かり、松尾神社の参道上に位置する。年代の欄は江戸、西暦は1848年 |
| 所有者 | 宗教法人西宮神社 |
| 公開状況 | 神社の境内にあり、参拝は神社の定めによる |
参考文献
- 文化遺産オンライン 西宮神社嘉永橋
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/258632
- 西宮神社
- https://nishinomiya-ebisu.com/
- 文化庁 国指定文化財等データベース
- https://kunishitei.bunka.go.jp/
- 兵庫県 文化財
- https://web.pref.hyogo.lg.jp/
最終更新日: 2026.09.10