境内最古の建築
聖興寺の多くは明治・大正・昭和の建築だが、鐘楼はより古い出自を負う。その木部は江戸中期、おおむね十七世紀後半から十八世紀半ばに帰され、境内に立つ最も古い建築となる。昭和51年(1976)に現在地の本堂南方へ移築された。
面積およそ10平方メートル、方一間の小さな吹放ちの鐘楼で、戸室石を積み上げた高い基壇の上に建つ。戸室石は金沢近郊で切り出される灰色の安山岩で、地域の城や庭園に用いられてきた。この石の基壇に載せることで、鐘楼は高さと安定を得ている。
小さな造形の規範
鐘楼は入母屋造桟瓦葺で、四方を吹放ちとする。粽付の円柱を四方転びに立て、貫や台輪で固め、三斗組を置く。中備は木鼻付の平三斗、一軒疎垂木として格天井を張る。
結果として、均整のとれた小さな瀟洒な建築が生まれ、平成23年(2011)、「造形の規範となっているもの」の基準で国の登録有形文化財となった。規模ではなく質が、その評価を得ている。
鐘楼を訪ねる
本堂南方の石の基壇上に建つ鐘楼は、境内でも見つけやすく、吹放ちの四方から柱・組物・天井の構造を一目で読み取れる。
鐘楼は追善区域を望む位置にあり、千代尼堂・草風庵・千代尼塚といった開かれた場や、少額の拝観料で入れる遺芳館とあわせて自然に巡ることができる。
Q&A
- 鐘楼はどのくらい古いですか。
- 木部は江戸中期、およそ十七世紀後半から十八世紀半ばに帰され、境内最古の建築です。昭和51年(1976)に現在地へ移築されました。
- 基壇は何でできていますか。
- 金沢近郊で切り出される灰色の安山岩・戸室石を積み上げたもので、地域の城や庭園に用いられてきた石材です。
- 構造の見どころは何ですか。
- 四方転びの粽付円柱、木鼻付の三斗組、吹放ちの均整のとれた方一間の構えと格天井です。
- いつ登録されましたか。
- 平成23年(2011)、造形の規範として国の登録有形文化財となりました。
- 間近に見られますか。
- はい、本堂南方の石の基壇上に開かれて建ち、追善の建物とあわせて境内から見学できます。
基本情報
| 名称 | 聖興寺鐘楼 |
|---|---|
| 所在地 | 石川県白山市中町56-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 登録年月日 | 平成23年(2011)1月26日 |
| 登録番号 | 17-0217 |
| 登録基準 | 造形の規範となっているもの |
| 時代・年代 | 江戸中期(1661〜1751頃)/昭和51年(1976)移築 |
| 構造及び形式等 | 木造、瓦葺、面積10平方メートル |
| 員数 | 1棟 |
| 所有者 | 宗教法人聖興寺 |
| 公開状況 | 現役の寺院で内部は通常非公開。千代尼堂・草風庵・遺芳館(拝観料200円)は見学可。 |
参考文献
- Agency for Cultural Affairs National Cultural Properties Database
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008446
- 加賀の千代女|白山市公式ホームページ
- https://www.city.hakusan.lg.jp/bunka/bunkashinko/1002773/1002775/index.html
- 聖興寺|うらら白山人(白山市観光サイト)
- https://www.urara-hakusanbito.com/spot/detail_1100.html
- 聖興寺 公式サイト
- https://shokoji.jp/
最終更新日: 2026.07.11