寺を動かす働きの棟

どの寺にも庫裏がいる。住持が実際に寺を切り盛りする台所と居住の棟である。聖興寺では、客殿の大式台の東南に西面して建ち、二階建で建築面積およそ245平方メートル、境内でも大きめの建物のひとつである。

木造二階建、切妻造桟瓦葺で、西面に大きく妻を見せ、庇を付す。玄関や中玄関はこの側に開く。寺の働きの区域に向けて、家が見せる顔である。

近代の庫裏、素直な意匠

妻面は一見の価値がある。庇より上方は、上半部を束や貫、舟肘木で飾り、下半部は下見板張として格子付の大きい窓を穿つ。明快で機能的な構成で、台帳はこの建物を近代的な庫裏の一例と記す。

平成23年(2011)、歴史的景観に寄与する建物として国の登録有形文化財となった。華やかな客殿とは異なり、庫裏は日々の働きにかなう率直な木造りでその位置を得ている。

見学のしかた

庫裏は今も寺の生活の場であり、内部は私的な空間で公開されない。ただし西面の妻は境内の日常の顔の一部で、参詣者も眺めることができる。

内部や間近の見学を望むなら、西側の追善区域が適する。千代尼堂と草風庵が開かれた場に建ち、俳人の遺品を納めた遺芳館は少額の拝観料で入ることができる。

Q&A

Q庫裏とは何ですか。
A寺の台所と居住の棟で、住持が暮らし、日々の運営を行う場です。
Q聖興寺の庫裏の規模は。
A二階建で建築面積およそ245平方メートル、大正7年(1918)に建てられた境内でも大きめの建物です。
Q外観の見どころは何ですか。
A西面の妻で、束や舟肘木で飾る上半部と、下見板張に格子窓を穿つ下半部が対をなします。
Q内部に入れますか。
A寺の私的な生活の場のため公開されていません。近くの千代尼ゆかりの建物が見学に開かれています。
Qいつ登録されましたか。
A平成23年(2011)、歴史的景観に寄与する建物として国の登録有形文化財となりました。

基本情報

名称聖興寺庫裏
所在地石川県白山市西新町24-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
登録年月日平成23年(2011)1月26日
登録番号17-0214
登録基準国土の歴史的景観に寄与しているもの
時代・年代大正7年(1918)
構造及び形式等木造2階建、瓦葺、建築面積245平方メートル
員数1棟
所有者宗教法人聖興寺
公開状況現役の寺院で内部は通常非公開。千代尼堂・草風庵・遺芳館(拝観料200円)は見学可。

参考文献

Agency for Cultural Affairs National Cultural Properties Database
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008443
加賀の千代女|白山市公式ホームページ
https://www.city.hakusan.lg.jp/bunka/bunkashinko/1002773/1002775/index.html
聖興寺|うらら白山人(白山市観光サイト)
https://www.urara-hakusanbito.com/spot/detail_1100.html
聖興寺 公式サイト
https://shokoji.jp/

最終更新日: 2026.07.11