人を迎えるための華やかな接客建築

聖興寺の客殿は、境内で最も装飾に富んだ建物である。大正7年(1918)の竣工で、来訪者を迎えもてなすために設計され、その意図は玄関から率直に表れている。

南正面には、大きな唐破風を戴く大式台が構える。奥には南北二室からなる仏間、東北に十二畳半を二室、東西に土縁がめぐる。建築面積は421平方メートルに及び、平屋の接客建築としては大ぶりである。

金・漆・螺鈿の意匠

室内にこそ、その意気込みが現れる。壁には金の壁紙を貼り、格天井は黒漆塗、欄間は漆塗と螺鈿細工で飾る。意図して華美に仕立てた接客空間であり、大正期の自信に満ちた年代に、豊かな寺院が催した趣向といえる。

この建物は平成23年(2011)、「造形の規範となっているもの」の基準で国の登録有形文化財となった。登録が認めるのは抑制ではなく、練達の装飾技であり、それがひとつのまとまった室内に結ばれている。

境内における位置づけ

客殿は本堂に近く、寺の社交の中心をなす。周囲の座敷、二階建の居室棟、茶室と結ばれている。唐破風の玄関は、参詣者が境内から捉えうる最も印象的な一要素だろう。

現役の接客空間であるため、内部は通常公開されない。室内を間近に見たい人は、西側の追善区域へ向かうとよい。千代尼堂と草風庵が開かれ、遺芳館は少額の拝観料で入ることができる。

Q&A

Q客殿は何に使われますか。
A来訪者を迎える接客の建物で、仏間や大広間、土縁を備えます。大正7年(1918)の竣工です。
Q特に目を引く装飾は何ですか。
A金の壁紙、黒漆塗の格天井、漆塗と螺鈿細工の欄間で、境内で最も華やかな建物です。
Q玄関はどのような造りですか。
A南正面に大きな唐破風を戴く大式台を構え、これが外観の見どころとなっています。
Q一般に公開されていますか。
A現役の接客空間のため内部は通常公開されません。追善区域の千代尼堂や草風庵を代わりに見学できます。
Qいつ登録されましたか。
A平成23年(2011)、造形の規範として国の登録有形文化財となりました。

基本情報

名称聖興寺客殿
所在地石川県白山市西新町23-3他
指定区分登録有形文化財(建造物)
登録年月日平成23年(2011)1月26日
登録番号17-0211
登録基準造形の規範となっているもの
時代・年代大正7年(1918)
構造及び形式等木造平屋建、瓦及び銅板葺、建築面積421平方メートル
員数1棟
所有者宗教法人聖興寺
公開状況現役の寺院で内部は通常非公開。千代尼堂・草風庵・遺芳館(拝観料200円)は見学可。

参考文献

Agency for Cultural Affairs National Cultural Properties Database
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008440
加賀の千代女|白山市公式ホームページ
https://www.city.hakusan.lg.jp/bunka/bunkashinko/1002773/1002775/index.html
聖興寺|うらら白山人(白山市観光サイト)
https://www.urara-hakusanbito.com/spot/detail_1100.html
聖興寺 公式サイト
https://shokoji.jp/

最終更新日: 2026.07.11