旧鯵坂家住宅主屋とは
旧鯵坂家住宅主屋は、鹿児島県南さつま市加世田武田にある明治後期(1898〜1912年)の屋敷の中心をなす住宅で、平成25年(2013年)6月21日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。読みは「きゅうあじさかけじゅうたくしゅおく」。
文化庁の記録では、木造平屋建、瓦葺で、建築面積は224平方メートル。登録番号は46-0106である。
旧鯵坂家住宅主屋は、敷地の中央に南を正面として建つ。鹿児島県教育庁文化財課の解説は、この屋敷を明治35年(1902年)頃の築としている。
入母屋の屋根と座敷の並び
旧鯵坂家住宅主屋は入母屋造の桟瓦葺で、四周に下屋を廻らせている(文化庁)。玄関は正面の東寄りに構え、北面の西端には奥座敷が張り出す。
前列の西側にある表座敷では、床の間(文化庁の記録では「トコ」)の左右に床脇を振り分けている(文化庁)。
神奈川大学の研究室がまとめた街歩きマップは、南側の10畳・8畳・10畳と北側の8畳・6畳・8畳をつなげると50畳の大広間になると記し、建築当初は西側にあった土間の台所が昭和後期に取り壊されたことにも触れている。
登録有形文化財としての価値
文化庁は旧鯵坂家住宅主屋を「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録した。赤く塗った室内の壁や細かな細工の欄間を挙げ、加世田麓の住宅の形式を伝える建物と評している。
鹿児島県教育庁文化財課の解説も、朱色の壁と精緻な欄間を、加世田麓の武家屋敷の造りを受け継ぐ点として取り上げる。
見どころ
旧鯵坂家住宅主屋でまず目を向けたいのは座敷の赤い壁で、黒い縁取りと並ぶとその色がいっそう際立つ。神奈川大学研究室のマップは、この赤壁が岡山の吹屋産のベンガラでつくられたと言われていることを紹介している。
欄間の細工も見逃せない。文化庁の解説が「繊細」と書くとおり、座敷の境に入る欄間は部屋ごとに表情を変える。
同じマップによれば、主屋にはかつて橋口五葉(1881〜1921年)の襖絵があり、花木図・花鳥図・山水図の4点10枚が鹿児島市美術館に寄託されているという。現地で見られるものではない。
見学について
旧鯵坂家住宅主屋は、屋敷全体が公開活用のための整備工事に入っており、南さつま市は当面の間閉鎖するとしている。内部の座敷や欄間は、再開まで見ることができない。
主屋は敷地の中央にあって、市道沿いの石塀と門の内側に建つ。再開後にどこまで上がって見学できるかは、南さつま市教育委員会の案内を確かめたい。
Q&A
- 旧鯵坂家住宅主屋はいつ建てられましたか?
- 文化庁は明治後期(1898〜1912年)とし、鹿児島県教育庁文化財課の解説は明治35年(1902年)頃の築としています。
- 旧鯵坂家住宅主屋の室内の見どころは?
- 赤く塗った座敷の壁と、細かな細工の欄間です。表座敷では床の間の左右に床脇を設けています(文化庁)。
- 旧鯵坂家住宅主屋はどのくらいの大きさですか?
- 木造平屋建で、建築面積は224平方メートルです(文化庁)。
- 旧鯵坂家住宅主屋の中は見学できますか?
- 現在は整備工事のため当面閉鎖されています。再開の時期は南さつま市教育委員会生涯学習課文化係に確かめてください。
- 旧鯵坂家住宅主屋が登録有形文化財になったのはいつですか?
- 平成25年(2013年)6月21日です(文化庁)。
基本情報
| 名称 | 旧鯵坂家住宅主屋(きゅうあじさかけじゅうたくしゅおく) |
|---|---|
| 所在地 | 鹿児島県南さつま市加世田武田字下鴻巣17830-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成25年(2013年)6月21日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、瓦葺、建築面積224㎡ |
| 所有者 | 南さつま市 |
| 公開状況 | 整備工事のため当面閉鎖 |
参考文献
- 旧鯵坂家住宅主屋(国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009690
- 旧鯵坂家住宅主屋(文化遺産オンライン)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/269916
- 旧鰺坂家住宅(日本遺産ポータルサイト、文責 鹿児島県教育庁文化財課)
- https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/4681/
- 旧鯵坂家住宅の整備工事について(南さつま市)
- https://www.city.minamisatsuma.lg.jp/living/oshirase/e044092.html
- 加世田麓街歩きマップ(神奈川大学 島崎和司研究室)
- https://www.arch.kanagawa-u.ac.jp/lab/shimazaki_kazushi/shimazaki/Traditional%20buildings/120kasedafumoto/feature-kasedamachiaruki.pdf
最終更新日: 2026.11.08