起伏に沿って勾配し屈曲する長廊
遊行寺の本堂の背後に、地形の起伏に合わせて勾配や段差をとりながら屈曲してのびる長い廊下がある。百間廊下と呼ばれ、本堂と境内北西の住居部(御番方)とを結ぶ。渡っていく斜面に合わせて床が上がり、折れ曲がり、段をなしていく。
清浄光寺は通称を遊行寺といい、鎌倉時代に一遍が開いた時宗の総本山である。境内は高低差のある地に営まれており、この廊下は数段の平場に広がる伽藍を結ぶための実際的な工夫でもある。
登録の理由と価値
平成二十八年(二〇一六)、廊下は国土の歴史的景観に寄与するものとして登録有形文化財に登録された。昭和十二年(一九三七)の竣工で、梁間一間の切妻造桟瓦葺、面積は約二二二平方メートル。漆喰塗の外壁に長押を廻らし、火灯窓を連ねる。
単なる通路にとどまらず、要所には御廟所や宇賀神社の礼拝所を設け、宗教施設としての性格も併せもつ。
見どころ
漆喰壁に連なる火灯窓の並びと、地盤が下がる箇所で屋根が段をなして下りていく様子を追ってみたい。廊下は境内の大きな建物の間を縫うように延び、伽藍にひとつながりの連続感を与えている。
接続する住居部や接客建物の内部は原則として非公開だが、廊下の外観は日中の境内散策のなかで見ることができる。
Q&A
- 百間廊下とは何ですか。
- 本堂と境内北西の住居部(御番方)を結ぶ長い渡り廊下です。名称はその長さに由来します。
- なぜ段差や勾配があるのですか。
- 境内が斜面に営まれているため、建物の間を走る廊下が地形に合わせて上がり、折れ、段をなしています。
- いつ建てられましたか。
- 昭和十二年(一九三七)です。現在の本堂と同年で、関東大震災後の復興のなかで建てられました。
- 宗教的な役割はありますか。
- はい。要所に御廟所や宇賀神社の礼拝所が設けられており、単なる通路ではありません。
- 通り抜けられますか。
- 廊下が結ぶ建物は寺務に用いられ原則非公開ですが、外観は日中自由に入れる境内から見学できます。
基本データ
| 名称 | 清浄光寺(遊行寺)百間廊下 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県藤沢市西富一丁目208 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 登録年月日 | 2016年(平成28年)2月25日(登録番号 14-0210) |
| 年代 | 昭和十二年(一九三七)/昭和前期 |
| 構造・形式 | 木造平屋建、桟瓦葺、梁間一間、切妻造、建築面積約222㎡ |
| 所有者 | 宗教法人清浄光寺 |
| 公開状況 | 外観は境内から見学可(日中) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース(百間廊下)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010937
- 時宗総本山 遊行寺 公式サイト(遊行寺を知る)
- https://yugyoji.or.jp/engi/
- 藤沢市観光公式ホームページ 遊行寺
- https://www.fujisawa-kanko.jp/spot/fujisawa/03.html
- 清浄光寺 — ウィキペディア
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E6%B5%84%E5%85%89%E5%AF%BA
最終更新日: 2026.07.05