石積基壇に建つ鐘楼

遊行寺の本堂南西、苑路沿いの石積の基壇の上に鐘楼が建つ。昭和九年(一九三四)の建立で、方一間の吹放し形式、切妻造銅板葺。楼そのものよりずっと古い梵鐘を吊る。

清浄光寺は通称を遊行寺といい、正中二年(一三二五)に呑海が開いた時宗の総本山である。ここに掛かる梵鐘は延文元年(一三五六)の銘をもち、神奈川県指定の重要文化財である。昭和の簡素な楼が中世の作を収めていることになる。

登録の理由と価値

平成二十八年(二〇一六)、境内中枢部の景観に寄与するものとして登録有形文化財となった。石積基壇の上に東西棟で建ち、八角の四本柱を内転びに立てて貫三段で固める。その上に三斗を組み、両妻では絵様虹梁上の大瓶束が棟木を受ける。内部には格天井を張る。

面積は約十一平方メートル。小規模ながら丁寧なつくりで、鐘の音が寺の時を告げる境内中枢の景観に寄与している。

見どころ

八角柱の内転びと、それを固める貫三段の構造に注目したい。小さな建物にしては意図の込められた組み方である。内部の梵鐘は中世の鋳造で、総高およそ百六十八センチ、胴まわりに長い銘文を陽刻する。

鐘楼は境内の開けた場所にあり日中は自由に見学できる。梵鐘は行事の際に撞かれる。

Q&A

Q鐘楼はいつ建てられましたか。
A楼は昭和九年(一九三四)の建立です。中に掛かる梵鐘はずっと古く、延文元年(一三五六)の銘をもちます。
Q梵鐘も文化財ですか。
Aはい。梵鐘は神奈川県指定の重要文化財で、楼の国の登録とは別の指定です。
Q構造の特徴は。
A八角の四本柱を内転びに立て、貫三段で固め、内部に格天井を張る点です。小規模ながら丁寧な造りです。
Q境内のどこにありますか。
A本堂の南西、苑路沿いの石積基壇の上、境内の中枢に近い場所です。
Q鐘を撞けますか。
A梵鐘は基本的に行事の際に撞かれます。楼は日中自由に見学できます。

基本データ

名称清浄光寺(遊行寺)鐘楼
所在地神奈川県藤沢市西富一丁目208
指定区分登録有形文化財(建造物)
登録年月日2016年(平成28年)2月25日(登録番号 14-0213)
年代昭和九年(一九三四)
構造・形式木造、銅板葺、方一間吹放し、切妻造、面積約11㎡
所有者宗教法人清浄光寺
公開状況境内自由(日中)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース(鐘楼)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010940
時宗総本山 遊行寺 公式サイト
https://yugyoji.or.jp/
藤沢市観光公式ホームページ 遊行寺
https://www.fujisawa-kanko.jp/spot/fujisawa/03.html
清浄光寺 — ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E6%B5%84%E5%85%89%E5%AF%BA

最終更新日: 2026.07.05