境内北奥の小さな社

遊行寺の境内北奥に、建築面積わずか三・六平方メートルという小さな社が鎮座する。しかし彫刻は濃密である。宇賀神社といい、弁財天と習合することの多い宇賀神を祀る境内社である。正面一間に向拝を付け、全体を軒唐破風付の入母屋造妻入とする、やや珍しい構えをもつ。

清浄光寺は通称を遊行寺といい、時宗の総本山である。多くの寺と同じく、境内に守護の神を祀る小さな社をもつ。ここではその社が、宝石箱のように丁寧に扱われている。

登録の理由と価値

平成二十八年(二〇一六)、国土の歴史的景観に寄与するものとして登録有形文化財となった。正面一間、側面二間の規模で、正背面の妻破風を火灯枠風とする。水引虹梁には籠彫の持送を付し、その上面に蓑束を立てて菖蒲桁を受けるなど、特異な意匠を示す。

向拝の廻りはとりわけ彫刻が濃密で、最小規模の社が木彫の技を凝縮した一棟となっている。

見どころ

小規模ながら、近くで見る価値がある。軒唐破風、火灯枠風の妻破風、水引虹梁の籠彫の持送に注目したい。境内北奥という位置は、境内を歩き尽くす人にとって静かな発見の場となる。

社は境内の開けた場所にあり、日中は自由に見学できる。

Q&A

Q宇賀神社とは何ですか。
A弁財天と習合することの多い宇賀神を祀る境内社です。境内の北奥に鎮座します。
Qどのくらいの大きさですか。
A建築面積わずか三・六平方メートルで、ここに登録された十棟のなかで最も小さな建物です。
Q小さいのになぜ登録されたのですか。
A国土の歴史的景観への寄与と、軒唐破風や籠彫の持送などの特異で濃密な彫刻の価値によります。
Qいつ建てられましたか。
A明治前期(およそ一八六八〜一八八二)です。
Q見学できますか。
Aはい。境内北端近くの開けた場所にあり、日中は自由に見学できます。

基本データ

名称清浄光寺(遊行寺)宇賀神社
所在地神奈川県藤沢市西富一丁目208
指定区分登録有形文化財(建造物)
登録年月日2016年(平成28年)2月25日(登録番号 14-0212)
年代明治前期(およそ1868〜1882)
構造・形式木造平屋建、銅板葺、入母屋造妻入、建築面積約3.6㎡
所有者宗教法人清浄光寺
公開状況境内自由(日中)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース(宇賀神社)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010939
時宗総本山 遊行寺 公式サイト
https://yugyoji.or.jp/
藤沢市観光公式ホームページ 遊行寺
https://www.fujisawa-kanko.jp/spot/fujisawa/03.html
清浄光寺 — ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E6%B5%84%E5%85%89%E5%AF%BA

最終更新日: 2026.07.05