野村隆男家住宅便所・風呂棟とは
野村隆男家住宅便所・風呂棟は、高知県安芸市土居の土居廓中にある江戸時代末期(1830〜1867年)の附属屋で、平成17年(2005年)7月12日に国の登録有形文化財に登録された。木造平屋建、瓦葺で、建築面積は7.4平方メートル。登録番号は39-0190である。
門のすぐ北、屋敷地の西辺に沿って建つ小さな建物で、南側を浴室、北側を便所とする。武家屋敷の水まわりが、主屋から離れた一棟として残っている。
登録の理由:通りに向けた構え
文化庁の解説が注目しているのは、野村隆男家住宅便所・風呂棟の西面の仕上げである。通りの側にあたる西面は、腰を押縁で押さえた下見板張とし、上部を漆喰塗りとして、屋敷の正面の構えを整えている。
便所や風呂は屋敷の裏方の設備だが、この棟は門と並んで屋敷の西辺に建つため、通りから見える外壁は門や塀と同じく屋敷の顔の一部になる。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。
見どころ:表と裏で異なる二つの面
野村隆男家住宅便所・風呂棟は、桁行2間、梁間1間の切妻造、桟瓦葺で、棟は南北に通る。
出入口は東面、つまり屋敷の内側に設けられ、通りに面した西面には開口を設けず壁で閉じている。使う人は敷地のなかから出入りし、通りからは板と白壁の整った外壁だけが見える。一つの小さな建物が、内向きの使い勝手と外向きの体裁を両方こなしている。
屋根の東面には左瓦が使われている。文化庁は門の東面についても同じことを記しており、安芸市によれば、風の強い土居廓中では風向きに応じて右瓦と左瓦を葺き分けるのが屋根の特徴である。門と便所・風呂棟の東面を並べて見ると、同じ葺き方が続いていることが分かる。
見学方法
野村隆男家住宅便所・風呂棟の西面は、敷地に入る前に通りから見ておきたい。門の北隣に、腰の板張りと白い漆喰の壁が続いている。
東面の出入口と左瓦の屋根は、門をくぐってから北へ向き直ると見える。内部をどこまで見学できるかは現地の案内に従ってほしい。
Q&A
- 野村隆男家住宅便所・風呂棟はどこにありますか?
- 門のすぐ北、屋敷地の西辺に沿って南北方向に建っています。通りから西面が、敷地の内側から東面の出入口が見えます。
- 野村隆男家住宅便所・風呂棟の中はどうなっていますか?
- 桁行2間、梁間1間の小さな平屋で、南側が浴室、北側が便所です。出入口は東面、つまり屋敷の内側にあります。
- 野村隆男家住宅便所・風呂棟が登録有形文化財になった理由は何ですか?
- 通りに面した西面を、腰を押縁下見板張、上部を漆喰塗りとして屋敷の正面の構えを整えている点が評価されました。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」です。
- 野村隆男家住宅便所・風呂棟はいつのもので、いつ登録されましたか?
- 文化庁のデータベースでは江戸末期(1830〜1867年)のもので、平成17年(2005年)7月12日に国の登録有形文化財に登録されました。登録番号は39-0190です。
- 野村隆男家住宅便所・風呂棟は見学できますか?
- 見学できます。野村家住宅は安芸市が無料で公開しており、安芸市の案内では午前8時頃から午後5時頃まで、年中無休です。内部の見学範囲は現地の案内に従ってください。
基本情報
| 名称 | 野村隆男家住宅便所・風呂棟 |
|---|---|
| 所在地 | 高知県安芸市土居994 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成17年(2005年)7月12日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、瓦葺、建築面積7.4平方メートル |
| 所有者 | 安芸市 |
| 公開状況 | 公開(見学無料、午前8時頃〜午後5時頃、年中無休) |
参考文献
- 野村隆男家住宅便所・風呂棟(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004844
- 野村隆男家住宅便所・風呂棟(文化遺産オンライン)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/117724
- 安芸市土居廓中伝統的建造物群保存地区(安芸市)
- https://www.city.aki.kochi.jp/life/dtl.php?hdnKey=1381
最終更新日: 2026.09.29