屋敷地の西辺に建つ味噌の蔵
南蔵の西方、三原屋の屋敷地西辺に沿って南北棟で建つのが西蔵である。桁行6間、梁間2間半の2階建土蔵で、桟瓦葺の切妻造。建築面積は約55平方メートルで、長く味噌の貯蔵庫として使われてきた。
建築は明治10年(1877年)頃、登録番号は20-0126。平側の東面ほぼ中央に出入口をとり、2階には隣の南蔵との連絡口を設ける。
醸造場の土蔵群を構成する一棟
店舗や街路に面する蔵が見せる面を意識して建てられたのに対し、西蔵は屋敷地南部、醸造の場をなす土蔵群という、働く裏手に属する。ここで求められるのは体裁よりも収容力と安定した温度であり、素朴な切妻の形はその目的を映している。
2階の南蔵との連絡口は、小さいながらよく物を語る細部である。蔵が個々に独立するのではなく、物資が行き来する連結した仕組みとして使われていたことを示している。
全体の一部として登録される
西蔵は平成15年(2003年)、歴史的景観に寄与すると判断された三原屋の6棟のひとつとして登録された。単体では慎ましい味噌蔵だが、群のなかでは醸造場を構成する要素のひとつであり、その価値はこの場との結びつきと切り離せない。
蔵が今も醸造に供されているため、内部は公開されていない。登録が守るのは全体である。店舗、街路の蔵、そして背後の働く蔵を、一つの明治の商家として読み解くところに意味がある。
Q&A
- 西蔵は何に使われていたのですか。
- 味噌の貯蔵庫として使われ、三原屋屋敷地の醸造の場をなす働く蔵のひとつでした。
- 他の建物とどうつながっているのですか。
- 南蔵の西に位置し、2階の連絡口で両者がつながっています。
- 規模は。
- 約55平方メートル、桁行6間・梁間2間半の2階建で、桟瓦葺の切妻造です。
- いつ建てられたのですか。
- 明治10年(1877年)頃で、群のほかの蔵と同じ時期の建築です。
- 中を見学できますか。
- 私有の現役の蔵ですので入れません。三原屋の建物群は周囲の街路から眺めるのが最適です。
基本情報
| 名称 | 三原屋商店西蔵 |
|---|---|
| 所在地 | 長野県長野市大字長野字御殿1151-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(登録番号 20-0126) |
| 登録年月日 | 2003年3月18日(告示 2003年4月8日) |
| 員数 | 1棟 |
| 構造 | 土蔵造2階建、桟瓦葺、建築面積約55平方メートル |
| 年代 | 明治10年(1877年)頃 |
| 用途 | 味噌貯蔵庫 |
| 所有者 | 株式会社三原屋 |
参考文献
- Agency for Cultural Affairs, National Cultural Properties Database — Miharaya Shoten West Storehouse
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00003239
- Nagano City — List of Registered Tangible Cultural Properties
- https://www.city.nagano.nagano.jp/n151100/contents/p002914.html
- Miharaya Co., Ltd. — official site
- https://miharaya.co.jp/
最終更新日: 2026.07.05