三階へ立ち上がる蔵

店舗の南方に位置し、東面をうちわや小路に見せて建つのが中蔵である。この群のなかでは背の高さが際立つ。桁行5間、梁間4間の2階建土蔵の上に、桁行3間半・梁間2間、東西棟、寄棟造の3階部を載せ、周囲の蔵が2階でとどまるところを3層へ立ち上げている。

建築は明治10年(1877年)頃で、店舗・北蔵より数年後にあたる。登録番号は20-0123、建築面積は約67平方メートル。南面で東蔵に連絡し、小路のある地点からは両者が一つの塊として見える。

うちわや小路に沿う壁

中蔵は、店舗裏口部の海鼠壁をそのまま受け継ぎ、東面に黒瓦と白漆喰の同じ意匠を小路沿いに連ねる。これがうちわや小路の質感の多くを担う壁であり、重厚な扉と小さな開口で区切られた、長く冷ややかな漆喰の面を見せる。

小路に立って見上げると、3階部が視線を持ち上げ、蔵の列に律動を与える。中蔵は端的に言えば、この街並みが欠くことのできない一棟である。

登録景観の要石

平成15年(2003年)に三原屋の6棟が登録された際に適用された基準は、国土の歴史的景観に寄与するものであった。中蔵はその言葉をほぼ文字どおりに体現する。小路の眺めを支える垂直の要であり、店舗の裏手と背後の実用蔵とを結び合わせる。

内部は公開の展示室ではない。価値は小路から出会う壁と、その背後に積み上がる屋根の重なりにある。うちわや小路から見れば、この小さな一画がなぜ守るに値すると考えられたのかが一目で分かる。

Q&A

Q中蔵は他の蔵とどこが違うのですか。
A背の高さです。2階建の土蔵の上に寄棟造の3階部を載せており、周囲の蔵が2階でとどまるなかで3層に立ち上がっています。
Q場所はどこですか。
A店舗の南方で、東面をうちわや小路に向けて建ちます。南面で東蔵に連絡します。
Qいつ建てられたのですか。
A明治10年(1877年)頃で、店舗・北蔵より数年後の建築です。
Q東面の壁はなぜ重要なのですか。
Aうちわや小路沿いに連なる海鼠壁を担っており、小路の歴史的な質感の多くをつくっているためです。
Q中に入れますか。
A私有の現役の蔵ですので入れません。壁と積み重なる屋根を見どころとして、小路から眺めるのが最適です。

基本情報

名称三原屋商店中蔵
所在地長野県長野市大字長野字桜枝町879-1
指定区分登録有形文化財(登録番号 20-0123)
登録年月日2003年3月18日(告示 2003年4月8日)
員数1棟
構造土蔵造3階建、瓦葺、建築面積約67平方メートル
年代明治10年(1877年)頃
所有者株式会社三原屋

参考文献

Agency for Cultural Affairs, National Cultural Properties Database — Miharaya Shoten Middle Storehouse
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00003236
Nagano City — List of Registered Tangible Cultural Properties
https://www.city.nagano.nagano.jp/n151100/contents/p002914.html
Miharaya Co., Ltd. — official site
https://miharaya.co.jp/

最終更新日: 2026.07.05