天井を主題とした小座敷

三番の間は行形亭の敷地北側にある、約40平方メートルの木造平屋建の小座敷である。明治10年(1877年)の建築で、その両端が広間と二番の間へ廊下で接続される。中央の庭を囲む座敷の連なりのなかの一室にあたる。

行形亭では敷地中央の池付の庭を囲むように各建物が配され、三番の間は北側の弧を占める。外まわりの壁は家の様式に従い、腰を黒塗簓子下見板張とし、上部を真壁造りとして木の軸組を見せる。

見どころは頭上にある

この部屋の見どころは天井にある。内部は数寄屋風、すなわち茶の湯に通じる軽やかで抑えた意匠で扱われ、二つの天井形式を用いる。一つは掛込天井で、屋根の勾配に沿って斜めに立ち上がり、平らに張らない。もう一つは舟底天井で、中央が棟に向かって持ち上がり、伏せた舟底のような形をとる。

この広さの部屋で二つの形式を併用することで、低い空間の頭上に思いがけない動きが生まれる。平成12年(2000年)、三番の間は登録番号15-0057で登録有形文化財となった。行形亭10棟の一つで、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。

連なりのなかで見る

この部屋は両側の大きな座敷へ廊下で結ばれているため、単独ではなく道筋の一部として捉えるのがよい。広間と二番の間のあいだを移るとき、客はこの小さく親密な空間を通り、天井と規模の変化が気分の変わり目として感じられる。

三番の間は営業中の料亭に属し、予約した客の食事に用いられる。掛込天井と舟底天井の下に座る者には、行形亭の小座敷の性格を形づくる数寄屋の造作を間近に見る機会となる。

Q&A

Q三番の間の見どころは何ですか。
A数寄屋風の内部に、屋根の勾配に沿う掛込天井と、中央が棟へ持ち上がる舟底天井の二つの形式を併用している点です。
Q他の座敷とどうつながっていますか。
A両端が広間と二番の間へ廊下で接続され、中央の池付の庭を囲む座敷の連なりの一室をなします。
Q広さはどのくらいですか。
A建築面積は約40平方メートルで、近くの大広間に比べると小ぶりな座敷です。
Q三番の間を見られますか。
A営業中の料亭で、予約した客の食事に用いられます。一般の見学順路として公開されているものではありません。

基本情報

名称行形亭三番の間(いきなりやさんばんのま)
所在地新潟県新潟市中央区西大畑町573
指定区分登録有形文化財(2000年登録/登録番号 15-0057)
時代明治10年(1877年)
構造・形式木造平屋建、鉄板葺、建築面積約40平方メートル
員数1棟
所有者株式会社行形亭
公開営業中の料亭。予約による食事で利用

References

国指定文化財等データベース — 行形亭三番の間
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001585
行形亭 公式サイト
https://www.ikinariya.co.jp/
新潟観光コンベンション協会 — 行形亭
https://www.nvcb.or.jp/topics/ikinariya

最終更新日: 2026.07.09