庭が最も広く開く座敷

行形亭の敷地の最奥部、建物が庭へと移りゆく地点に、寿の間と二番の間を含む木造平屋建の座敷棟が建つ。明治10年(1877年)の建築で、庭に広く面し、主屋から奥へ連なる内部空間の終点をなす。

登録された座敷のなかで床面積が最も大きく、約252平方メートルにおよぶ。木造平屋建で、壁は黒塗簓子下見板張、屋根は鉄板葺の寄棟である。間取りは大広間である寿の間を中心に構成される。「寿」の名は、この座敷が担ってきた宴席や婚礼を指し示す。

一群の要となる理由

行形亭は新潟市内の代表的な老舗料亭として知られ、その評判をかたちにするのがこの座敷である。敷地の奥に離れて置かれ、池付の庭へ広く開くことで、大人数の集いにふさわしい規模の場を与える。

平成12年(2000年)、この座敷棟は登録番号15-0058で登録有形文化財となった。同年に登録された行形亭10棟の一つである。基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、庭の内縁を締めくくるこの座敷にふさわしい。

席から気づきたいこと

大広間に座ったら、まず座敷と庭の関係を見たい。広い前面は、池や黒松の古木、移ろう季節を食事のなかへ取り込むよう設けられており、眺めそのものが供されるものの一部となる。外まわりの黒塗の下見板が、その開口を暗く静かに縁取る。

寿の間は、主屋から始まり連なる座敷を辿ってきた道の終点であり、そこへ達することには到着の感覚が伴う。行形亭は営業中の料亭であるため、この座敷は見学ではなく、予約した客の食事や祝いの席として用いられる。

Q&A

Q「寿の間」とはどういう意味ですか。
A「寿」は長寿や祝いを意味します。宴席や婚礼など、めでたい集いのために設けられた大広間にふさわしい名です。
Qこの座敷はどのくらいの広さですか。
A寿の間・二番の間を含む座敷棟の建築面積は約252平方メートルで、登録された行形亭の座敷のなかで最も大きいです。
Qいつ建てられましたか。
A明治10年(1877年)です。敷地の最奥部にあり、庭に広く面しています。
Qこの広間で食事できますか。
A予約した料亭の客として利用できます。展示の座敷ではなく食事や祝いの席として使われ、日曜・祝日は休業が多いです。

基本情報

名称行形亭寿の間・二番の間(いきなりやことぶきのま・にばんのま)
所在地新潟県新潟市中央区西大畑町573
指定区分登録有形文化財(2000年登録/登録番号 15-0058)
時代明治10年(1877年)
構造・形式木造平屋建、鉄板葺寄棟、建築面積約252平方メートル
員数1棟
所有者株式会社行形亭
公開営業中の料亭。予約による食事・祝宴で利用

References

国指定文化財等データベース — 行形亭寿の間・二番の間
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001586
行形亭 公式サイト
https://www.ikinariya.co.jp/
新潟観光コンベンション協会 — 行形亭
https://www.nvcb.or.jp/topics/ikinariya

最終更新日: 2026.07.09