旧荘家住宅座敷棟とは
旧荘家住宅座敷棟は、岡山県真庭市下呰部にある文政8年(1825年)建築の木造2階建の旧庄屋の座敷棟で、令和4年(2022年)2月17日に国の登録有形文化財に登録された。
読みは「きゅうしょうけじゅうたくざしきむね」。「荘」は姓で、地名の「呰部」は「あざえ」と読む。下呰部は旧北房町の中心にあたる町で、旧荘家住宅座敷棟は伯耆・出雲方面へ通じる街道「伯雲往来」に東を向けて建っている。
荘家は江戸時代を通じてこの地域の庄屋を務めた家で、建物は代々続いた庄屋屋敷の一部である。建築年は残された棟札から文政8年と分かっており、所有する里山アグリ株式会社は、何度か部分的な改修を受けながらも主要な部分は建てられた当時の姿をほぼ保っていると説明している。文化庁の記載では平成26年(2014年)にも改修を受けた。
現在は里山アグリが古民家の和風レストラン「北房ほたる庵」として使っており、隣接する里山里海交流館「しんぴお」の食事処も兼ねる。住まいとしての役目を終えた庄屋の座敷が、食事をしながら過ごせる場所として開かれている。
旧荘家住宅座敷棟が登録有形文化財になった理由
旧荘家住宅座敷棟は登録有形文化財で、登録番号は33-0349、令和4年の第101回登録にあたる。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。文化庁の記載では木造2階建、瓦葺、建築面積170平方メートルである。
文化庁の解説によると、建物は2階建の入母屋造、平入の桟瓦葺で、南東の角に玄関を突き出している。1階は南側を土間とし、北側に部屋を2列に4室並べ、東の庭に面して続き座敷とする。2階にも背面側に続き座敷を設けている。
評価の中心は街道からの見え方にある。外壁は柱を塗り込めた大壁造の漆喰塗で、重厚な構えが伯雲往来沿いの景観をつくっていると文化庁は説明している。江戸時代後期の庄屋の座敷棟が、街道に面した元の位置で使われ続けていることが登録の理由になった。
旧荘家住宅座敷棟の見どころ
街道に向いた白壁の正面
旧荘家住宅座敷棟は東を正面にしており、街道から眺めると漆喰で塗り込めた白い壁と、入母屋の大きな屋根が目に入る。柱を見せない大壁の外観は、町家の格子とは違う重々しさがある。南東の角に張り出した玄関が、どこから入る建物かを示している。
4室が連なる続き座敷
内部の見どころは、北側に2列で並ぶ4つの部屋である。部屋は東の庭に向かってひと続きに並び、庄屋の屋敷の接客空間の広がりがつかめる。文化庁の写真記録にも1階北東の和室が載っている。
東の庭と2階の座敷
続き座敷は東の庭を眺めるように配置されている。2階にも背面側に続き座敷があり、1階と2階の両方に座敷を重ねた構成になっている。
南側の土間
南に寄せた土間は、畳敷きの座敷側とは性格の違う空間である。土間と座敷を一つの棟に収め、座敷を庭側にまとめた間取りを、建物の中を歩きながら確かめてみたい。
旧荘家住宅座敷棟の見学方法
旧荘家住宅座敷棟は文化財としての見学施設ではなく、レストラン「北房ほたる庵」として営業している。内部に入るには食事の客として訪れることになる。公式サイトによれば営業時間は昼が午前11時から午後2時、夜が午後5時から午後8時で、夜の食事は当日の午後2時までに予約が要る。定休日は毎週火曜日。予約と問い合わせは電話0866-52-2600。真庭観光局の案内では第1月曜日も休みとしているので、月曜日に訪れる場合は事前に確かめたい。
建物の撮影の可否は公表されていないため、店内を撮りたい場合は店の人に尋ねるとよい。街道側から外観を眺めることはいつでもできる。
公共交通では、JR姫新線の美作落合駅から呰部行きのバスで約35分、終点の「呰部」で降りて歩く。JR伯備線の備中高梁駅からも呰部行きのバスがあり約40分かかる。どちらも本数が少ないので時刻表の確認は欠かせない。車では中国自動車道の北房インターチェンジから約10分。
Q&A
- 旧荘家住宅座敷棟はいつの建物で、いつ登録有形文化財になりましたか?
- 旧荘家住宅座敷棟は棟札から文政8年(1825年)の建築と分かっており、令和4年(2022年)2月17日に登録有形文化財に登録されました。登録番号は33-0349です。
- 旧荘家住宅座敷棟の内部は見学できますか?
- 建物は和風レストラン「北房ほたる庵」として使われており、食事の客として入ることができます。昼は午前11時から午後2時、夜は午後5時から午後8時(要予約)で、毎週火曜日が定休日です。
- 旧荘家住宅座敷棟の「荘」と「呰部」は何と読みますか?
- 「荘」は姓で「しょう」、地名の「呰部」は「あざえ」と読みます。名称全体の読みは「きゅうしょうけじゅうたくざしきむね」です。
- 旧荘家住宅座敷棟へはどうやって行けばよいですか?
- JR美作落合駅から呰部行きのバスで約35分、終点の「呰部」で降ります。車では中国自動車道の北房インターチェンジから約10分です。
- 旧荘家住宅座敷棟で注目したい点は?
- 伯雲往来に向いた漆喰塗の大壁の外観と、東の庭に面して4室が連なる続き座敷です。南東に突き出した玄関と入母屋造の屋根も外から確かめられます。
基本情報
| 名称 | 旧荘家住宅座敷棟 |
|---|---|
| 所在地 | 岡山県真庭市下呰部字町664 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 令和4年(2022年)2月17日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、瓦葺、建築面積170平方メートル |
| 所有者 | 里山アグリ株式会社 |
| 公開状況 | レストラン「北房ほたる庵」として営業(火曜定休) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁):旧荘家住宅座敷棟
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014200
- 文化遺産オンライン(文化庁):旧荘家住宅座敷棟
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/592570
- 北房ほたる庵:ご案内(登録有形文化財・旧荘家住宅座敷棟)
- https://hotaru-an.com/about.html
- KSB瀬戸内海放送:「旧荘家住宅座敷棟」が国の登録有形文化財に
- https://news.ksb.co.jp/article/14484907
- 岡山観光WEB(岡山県観光連盟):北房ふるさとセンター(呰部へのバス)
- https://www.okayama-kanko.jp/spot/detail_11431.html
- 岡山観光WEB(岡山県観光連盟):港屋旅館(備中高梁駅からのバス)
- https://www.okayama-kanko.jp/spot/detail_12287.html
最終更新日: 2026.10.02