主屋と道路のあいだに立つ新垣家住宅ヒンプン

新垣家住宅ヒンプンは、沖縄県那覇市首里末吉町の屋敷にある明治29年(1896年)頃築造の石造の目隠し塀で、平成19年(2007年)7月31日に国の登録有形文化財に登録された。東西に延びる長さは3.6メートル、厚さ60センチ、高さ1.7メートルである。

ヒンプンは、沖縄の屋敷で門口と母屋のあいだに置かれる衝立状の塀をいう。新垣家住宅ヒンプンも主屋の南側、道路との間に立ち、正面の入口から家の中が直接見えないよう視線をさえぎっている。

屋敷に入る人は、このヒンプンの脇を回り込んで主屋へ向かうことになる。屋敷の出入りの動線を決めている構造物でもある。

新垣家住宅ヒンプンのつくり

材料は琉球石灰岩である。石を乱積にしたうえで表面を削って整え、断面が台形になる板状の塀に仕上げている。下が厚く上に向かって細くなる断面なので、正面から見ると一枚の石の板のように見え、側面に回るとわずかな傾きが分かる。

ヒンプンの正面には、屋敷を囲む石垣の出入口がある。文化庁の解説は、石垣のうちヒンプンに続くこの出入口の部分について、表面をとりわけ精緻に整えていると記している。ヒンプンと石垣の入口は、屋敷の表として一組で手をかけられた部分になっている。

新垣家住宅ヒンプンが登録された理由

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。文化庁の解説は、新垣家住宅ヒンプンが正面入口からの目隠しとなり、沖縄独特の敷地景観を形成している点を評価している。

生垣や植え込みでヒンプンをつくる家もある中で、新垣家住宅ヒンプンは石造で、しかも表面を整形した丁寧な仕事である。屋敷の石垣・フール・池と同じ明治29年頃の築造とされ、同じ石灰岩でそろえた屋敷構えの一部をなしている。

新垣家住宅ヒンプンの見どころと見学について

注目したいのは断面の形である。台形の断面は、厚さ60センチの足元から上へ向かって絞られており、高さ1.7メートルの塀に安定感を与えている。表面の整形の具合と、隣の石垣の出入口の仕上げを見比べると、屋敷の表をどう見せようとしたかが分かる。

新垣家住宅ヒンプンは個人の住まいの敷地内にあり、一般には公開されていない。主屋と道路のあいだに立つため、6件の中では道路側から目に入る可能性が高いが、実際にどこまで見えるかは確認できていない。敷地には立ち入らず、住人や屋敷の内側が写り込まないよう撮影にも配慮したい。

Q&A

Q新垣家住宅ヒンプンは見学できますか?
A一般公開されていません。新垣家住宅ヒンプンは個人の住まいの敷地内にあります。道路側から目に入る可能性はありますが、敷地には立ち入らないでください。
Qヒンプンとは何ですか?新垣家住宅ヒンプンの役割は?
A沖縄の屋敷で門口と母屋のあいだに置かれる衝立状の塀です。新垣家住宅ヒンプンは主屋と道路のあいだに立ち、正面入口から家の中が見えないよう目隠しの役割を果たしています。
Q新垣家住宅ヒンプンの大きさは?
A東西の長さ3.6メートル、厚さ60センチ、高さ1.7メートルです。琉球石灰岩を乱積にして表面を整え、断面台形の板状につくっています。
Q新垣家住宅ヒンプンはいつ造られ、いつ登録されましたか?
A明治29年(1896年)頃の築造とされ、平成19年(2007年)7月31日に国の登録有形文化財に登録されました。登録番号は47-0036です。
Q新垣家住宅ヒンプンの見どころはどこですか?
A断面が台形の板状に整えられた石の表面と、ヒンプンに続く石垣の出入口の精緻な仕上げです。両者が屋敷の表として一組で整えられています。

基本情報

名称新垣家住宅ヒンプン(あらがきけじゅうたくひんぷん)
所在地沖縄県那覇市首里末吉町2-124-2
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号47-0036
指定年平成19年(2007年)7月31日登録
員数1所
寸法石造、延長3.6メートル(厚さ60センチ、高さ1.7メートル)
所有者個人
公開状況非公開(個人の住まい)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)― 新垣家住宅ヒンプン
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00006138
文化遺産オンライン ― 新垣家住宅ヒンプン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/171442
全国文化財総覧(奈良文化財研究所)― 新垣家住宅
https://sitereports.nabunken.go.jp/cultural-property/496244

最終更新日: 2026.09.25