通り沿いに建つ江戸後期の土蔵

奥野家住宅西蔵は、大阪府豊中市中桜塚にある江戸時代後期(1751〜1829年)の土蔵で、平成20年(2008年)7月8日に国の登録有形文化財となった。登録番号は27-0494。

敷地の西辺、通り沿いに建つ土蔵造の2階建で、建築面積は41平方メートル。豊中市によれば門長屋の北側に接して建っており、門長屋とともに屋敷の表構えをなしている。

一棟で段違いの二棟に見える屋根

奥野家住宅西蔵は桁行7.5メートル、梁間4.5メートル。切妻造の桟瓦葺で、蔵の本体に別の屋根を載せる置屋根の形式をとる。東面には庇を付ける。

目を引くのは屋根の段差である。北半分の屋根が一段高くなっており、豊中市はその理由を内部の構成から説明している。内部は中央の壁で南北2室に分かれ、北の室は壁の上に換気のための隙間を設けた板壁を重ねている。その分だけ屋根が持ち上がり、1棟でありながら高さの違う2棟が並んだように見える。

基礎は布石積で、文化庁の解説は丁寧に積まれていると記す。外壁は周囲を竪板張とし、要所に小窓を開けて、持送りで支えた小さな庇をかける。

登録の理由

奥野家住宅西蔵は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。通りに面した門長屋・土蔵・板塀が、市街化した一帯で村の頃の面影を伝えていると豊中市は評価しており、西蔵はその連なりの一部を担う。

段違いの屋根という、機能から生まれた形がそのまま外観の個性になっている点も見逃せない。

地震被害と修復、その後の使われ方

平成30年(2018年)の大阪府北部地震で、奥野家住宅西蔵は2階の梁が折れる被害を受けたと、所有者の話として地域の報道サイトが伝えている。取り壊しも検討されたが修復され、令和5年(2023年)6月6日に、隣の米蔵で開かれる催しの来場者がくつろげる場として、カフェ「桜の庄兵衛+」が開かれたという。

なお、この取材記事では建物を「西蔵(米蔵)」とも表記しており、豊中市の説明と照らすと、カフェが入るのは門長屋に接する西蔵と読める。公式サイトはカフェの営業日と時間を案内しているが、どの蔵を使っているかは明記していない。

見学について

奥野家住宅西蔵の外観は、敷地西辺の通りから見ることができる。北半分の屋根が一段高い姿は、通りを少し北へ歩いて斜めに見上げると分かりやすい。内部に入れるのは、カフェの営業日である。2026年9月時点の営業は毎週火曜日と水曜日の午前11時30分から午後4時までで、公式サイトで最新の情報を確かめてから訪ねたい。行き方は奥野家住宅(豊中市)のページにまとめてある。

Q&A

Q奥野家住宅西蔵は見学できますか?
A外観は敷地西辺の通りから見ることができます。取材記事によれば内部はカフェ「桜の庄兵衛+」として使われており、2026年9月時点では毎週火曜日と水曜日の午前11時30分から午後4時まで営業しています。
Q奥野家住宅西蔵はいつ建てられましたか?
A江戸時代後期(1751〜1829年)の建築とされています。
Q奥野家住宅西蔵の屋根はなぜ段違いなのですか?
A内部が中央の壁で南北2室に分かれ、北の室は壁の上に換気用の隙間のある板壁を重ねているため、北半分の屋根が一段高くなっています。
Q奥野家住宅西蔵の大きさは?
A桁行7.5メートル、梁間4.5メートル、建築面積41平方メートルの土蔵造2階建です。
Q奥野家住宅西蔵が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成20年(2008年)7月8日で、登録番号は27-0494です。

基本情報

名称奥野家住宅西蔵
所在地大阪府豊中市中桜塚2-422-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成20年(2008年)7月8日登録
員数1棟
寸法桁行7.5メートル、梁間4.5メートル、建築面積41平方メートル
所有者個人
公開状況外観は通りから見学可、内部はカフェ営業日に利用可

参考文献

国指定文化財等データベース 奥野家住宅西蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00007265
豊中市 登録文化財 奥野家住宅
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/jinken_gakushu/bunkazai/touroku_bunkazai/touroku09.html
桜の庄兵衛+(Cafe)
https://syoubei.jimdoweb.com/%E6%A1%9C%E3%81%AE%E5%BA%84%E5%85%B5%E8%A1%9B-cafe/
TNN豊中報道。2「cafe 桜の庄兵衛+」取材記事(2023年10月)
https://toyo-2.jp/archives/post-140757.html

最終更新日: 2026.09.26